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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第36章 たぬき















穂波は外でほんとに雪だるまを作ってる。

おれは窓の内側で耐熱瓶にいれてくれたお茶を
カップに注いで飲みながらその様子を眺めてる。





ばっちり防寒対策して。



『雪ってさ、装備があるとないとで楽しさが全然違うよね!』



可笑しいなと思いながらも、
そのウェア姿と喋る様子ががあまりに可愛くて、
みた時ぽかんとしてしまった。

一緒にスノボ、行きたいかも。
子供のころ母さんたちに連れて行かれたけど、
そんなに嫌いじゃなかった。

普通に滑る分には転んでも痛くないし。
周平みたいにランプとかするわけじゃないから。

…筋肉痛にはなるけど






できる限り大きいの作るのかなって思ったら、
穂波の膝くらいの高さの小ぶりなのを2つ作って、
それから周りにうさぎとか魚を作ってる。
魚の形は平面じゃなくって、タヒチからの写真にあったみたいな立体的なの。

それから薪置き場にある焚き付けに使う小枝とか杉の葉っぱを周りに刺して、
きっと、自然の中にいる感じを出してるんだと思う。

雪だるまの目は花豆っていう大きな豆。
口は小豆。鼻は人参の先っぽ。
鳥が食べに来るかな?って言いながら、台所から持っていった。



何がかわいいって、穂波がかわいい。



ほんと、なんでこんなに可愛いんだろ。






途中で椅子に座って、
ゲームしながら時折眺めたりってしてると
もう完成したのか穂波が外からおいでおいでってする。







大きいけどちょっと外に出るくらいはって持ってきてくれた
アキくんのブーツを履いて、
穂波のダウンジャケット羽織って外に出る。







『できたよ、こっちが研磨くん』

「え、あ。おれらなんだ」

『雪だるまだから髪の毛とかはないけど、気持ち的にはわたしたち』

「…ん。 写真、撮っとく」






見てるだけで満足しちゃって作ってるときの穂波の写真は撮りそびれたけど、
この写真みたらきっと鮮明に思い出せる。
そんな気がする。










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