第36章 たぬき
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ソファにとんっと倒された時にはもう、
パジャマは上も下も脱がされて
上はキャミソール、下はパンツ1枚の格好だった
研磨くんはわたしに覆い被さり
頭の横に手をついてわたしを見下ろす
色っぽくて、落ち着いてて、鋭い、捕食者の目。
ゾクゾクする
頬に研磨くんの手のひらが触れる
親指を泳がせるように撫でながら
もう片方の手で自分の髪の毛を耳にかけ、
ゆっくりと近づいてくる
優しい優しいキスが降る
唇に、 瞼に、 頬に、 額に、 こめかみに…
「ねぇ穂波」
優しい声。
『…ん』
「今日は、おれがいいよって言うまで…」
『…?』
「イっちゃダメだよ」
『…え』
「まだまだ知らない穂波の顔、見せてね」
研磨くんはそう言ってふわりと笑う
やだもう、その言葉と声と目だけでわたしの身体は疼くのに
いいっていうまでって…
「できない? やめる?」
こめかみを撫でながら研磨くんが問う
首を、横に振る
それからじっと研磨くんを見つめる
「…いい顔してる。物欲しそうで、勝ち気で、でも不安そう。すごい、唆られる」
研磨くんはそう言葉を溢すや否や、
わたしの唇をまた、塞いだ
ねっとりと絡みつくような舌の動き、
柔らかくてあったかい唇の感触、
肌の上を泳ぐように這う指
ブラをつけてないからふっと胸の脇の方に研磨くんの手が掠める
触って欲しいな…
身体を捩らせねだるように動いてしまう
「…触って欲しいの?」
コクリ
「おれはいいけど、我慢できるの?穂波、すぐイっちゃうのに」
ふっとまた、笑みをこぼす
ゾクっとするとともに
お腹の下の方がキュウとなる。
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