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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第5章 夏


ー研磨sideー


穂波とみんなのとこに戻ろうと来た方向に浜辺を歩いてると
途中でツトムくんに会った。

カメラを構えて、こっちを、向いてるように見える。



「…すげーいい感じ」



ファインダーを覗いていた顔を見せてツトムくんが言う。



研磨「………」

『…あ、ツトムくん。何撮ってたの?』

ツトム「…愛、ってとこかねぇ……」

『…ふふ、今日凪いでて穏やかだもんねぇ』

研磨「………」



穂波はきっと愛って言われて海を思ったんだろう。
海に抱かれるとか、そういう事、素でいうし。



『…もう少しだけ、日が沈むの見てけるかな』

ツトム「俺は大丈夫だけど。あいつらは車で寝れるし、どっかで夕飯食べて解散する?」

『…うん、研磨くんはどう?』

研磨「……ん。大丈夫」



穂波の話すトーンがいつもより穏やかな気がする。



夜久「…お。おかえり〜」




ぽつぽつと座って、みんなぼーっとビーチバレーをみたり、海をみたりしていた。



手を繋いで隣に座っていた穂波の手が解けたかと思うと、
裸足で穂波は走りだしていた。



波打ち際で立ち止まり、真っ直ぐに立つ。

腰を下ろして、膝を曲げて、穂波は踊りだした。



手の動きも腰の動きも
足のステップも
髪が揺れる様まで綺麗で……
ちょっと、驚いた。何も、言葉が見つからなかった。

遠くで、影になってて表情はよく見えなくって、
どんな顔して踊ってるのかな、とか思った。
でも見えなくても十分だ。

フラダンスのイメージのひらひらした衣装も
身体のラインが出るような服も着ていないのに
こんなにしなやかで、柔らかい動きって出るんだな…



ただただ、見惚れてしまった。



多分それはそこにいた俺たちみんなで、
ゲームをしていたカズくんもきっと手を止めて見ていたんだと思う。
目を離せなくて、みんながどこみてるかなんて確認できなかったけど。



穂波が踊り終えると、海から強い風が吹いて、
それはまるで穂波に応えてるみたいに見えた。



穂波はよく、繋がる。って言葉を使う。
ダンスとか、サーフィンの話をしてる時。
いまが、それだったのかな、とかよくわかんないけど思った。






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