第36章 たぬき
一緒に風呂に入って
それから穂波はおれの髪を乾かしてから
自分の髪は濡れたまま台所に行こうとする。
「全部は無理でも、おれやる」
手首を掴んで穂波を引き止め髪を乾かす。
柔らかい髪。しっとりしてる。それから、いい匂い。
「もうオイル塗ったの?」
『へ?あ、うん。乾かすにしても乾かさないにしても、塗ってる。
乾かしたらまた、もっかい塗る』
「…へぇ」
ずぼらで、とか
何もしてなくて、とか言うし
実際そこに熱量使ってます!って感じじゃないけど
でも当たり前のようにおれからしたらめんどくさいこと毎日やってるんだな。
『…ん、もういいよ?お腹空かない?』
「…空くけどもっと触ってたい」
『…ふふ ありがとう』
まだ完全には乾いてないだろうけど
ぼちぼちのところで切り上げて
穂波がオイル塗るのを見届ける。
なんかこの、見てるだけで気持ちいいのなんなんだろう。
大事に扱うからかな、触れるもの全てを。
穂波が何か作業してる様子を見るのがすき。
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「…穂波、ちょっと読んでみたい」
『…え?あ、うん。 パスワードは研磨くんの誕生日とわたしの誕生年を西暦で』
「…あ、うん。わかった」
そんな普通にパスワード教えるんだ。
っていうかおれの誕生日って…
かわいい。
穂波は早生まれだから…
10161996
だいぶ簡単なパスだけどいいのかな。
「…うわ 英語だらけ」
当たり前だし、わかってはいたけど。
Every person has a creative side, and it can be expressed in many ways:
problem solving, original and innovative thinking, and artistically, to name a few.
Describe how you express your creative side.
これがトピックか…
何字って言ってたっけ。350字?
英語で350字って日本語で200字くらいかな…
クリエイティブサイド…
なんとなく意味は分かってもいい感じに訳すのって難しい。