第36章 たぬき
ー穂波sideー
土曜日。
月曜日は成人の日で、3連休。
研磨くんたちの部活は、1日、半日、オフ。
日曜日に泊まりに来てくれる。
…うれしい!
そして今はレッスンを終えて、
カフェでサラダランチを食べて、高校に向かってる。
マネージャー用の部屋が… 汚すぎて…
なかなか授業ある日の空き時間には難しいから、
今日ばばーっとやってしまう。
鍵はもう預かってるので、そのまま。
時間を確認しようと携帯を見ると治くんからLINEが入ってた。
【今日何食った?】
…かわいい。
【今日はレッスンの日だったのでそのまま外食です。
大皿でチキンサラダを食べたよ。
新鮮な野菜と手作りのチキンハム、胡麻ドレッシング。
パクチーとパリパリにあげたワンタンの皮】
なんとなく、詳細を記してみる。
携帯は鞄に入れて、よし。 掃除。
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「ぅおー!すげー穂波ちゃん!
まだかかりそうだったら早めに切り上げて手伝おうかっつって、
今様子見に来たんだけど…」
あとは棚に必要なものを戻すだけ、というところで山本くんがやってきた。
『ほんと? このくらいでいいよね。 だから、いつも通りに練習して大丈夫。
もうクールダウン? ペアストレッチするようだったら、わたし入るよ』
「おっけー研磨に言っとくわ。 マジでありがとうな、穂波ちゃん!」
1年生4人、2年生3人。
1人余るし、もし需要があるならお手伝いしたい。
部屋の片付けを終わらせて体育館へ向かう。
「じゃーんけーん ぽいっ!!」
「ぅおっしゃーーー!!」
「あーーー!負けたーーー!」
体育館ではじゃんけん大会が繰り広げられてる。
…ふふ、微笑ましい。