第36章 たぬき
ー穂波sideー
1月9日(水)
昨日はヨガのクラスのあと、
液晶は見たくないなぁって気分で
パソコンも携帯も全く見ないで夜を過ごした。
浮かんだエッセーのアイデアをノートに手書きでメモしていった。
そして今。
朝のいろいろの支度を終えてストーブの前でお茶を飲みながら、携帯を開く。
【春高で会えて嬉しかったで。またほんまにデートしよな】
【ちょこちょこLINEするからな。また水着の写真送ってや】
【穂波ちゃんこんにちは。幸郎です。
俺らも今日負けちゃった。明日は3位決定戦です。
穂波ちゃんに会えたらいいのに。
LINEは家に帰ってから登録するね。インスタもお願いね〜】
【穂波ちゃん、昨日はありがとう。旭です】
【宮崎のルイからミチルってやつにLINE教えていいかって聞かれたけど、普通に断っていいよな?】
治くん、倫ちゃん、幸郎くん、旭さん、お兄ちゃん。
まずは、
【お兄ちゃん、ミチルくんは確かにこの間知り合ったとてもいい子だけど…
うん、ちょっと今回はお断りでお願いします。
たこ焼き食べようねって言伝お願い〜】
次に
【旭さん、おはよう。両親にはもう伝えてあって、
とりあえず、もう少し詳細を聞いておいてくれとのことだったので、
明日電話できるかな?今日でもいいけど、今日はちょっと夜遅めです】
それから
【幸郎くん。今日は3位決定戦かぁ。毎日ほんとすごい。
幸郎くんと鴎台のバレーに会えたのはとても大きな収穫です。
良い試合ができることを願っています。
わたし、焼岳登ってみたいの。いったことある?
インスタグラムすっかり忘れてた。明日までにはする!】
で、
【治くん、こちらこそ出会えて嬉しかったよ。
それで治くんに言い忘れたことがあるの。また電話するね】
最後は
【倫ちゃん。ちょこちょこLINEどんとこい!
水着姿は写真ではなくぜひ現物で!いつか一緒にサーフィンしようね】
おぉ、思いのほかさくさくと返事ができるぞ。
インスタグラムの登録とやらは
なんでこんなに億劫なのか…
今日学校でするか。