第35章 fun
ー研磨sideー
学校戻って、片付けして、
みんなで集まって今日の反省とか。
それから、
クロとか夜久くんとか海くんが改めて前に並んで話したり。
1、2年はおれ以外みんな泣いてて。
うん。そんな感じ。
まっすぐ帰りたくないな、ってみんなが言って、
コンビニに向かうことに。
「…あれ、前から走ってくんの穂波ちゃんじゃね?」
「あ、まじだ。 …研磨連絡きてる?」
「連絡はあったけど、こっちにくるとはきいてない」
…まだ学校?とかそういう、
今思えば確かに、穂波っぽくないメールが来てた。
穂波に気付いた犬岡が走っていって、
穂波が思い切り犬岡に抱きつく。
弁当食べる時もハグしてたのに。
それから2人で喋りながらこっちに向かってくる。
『みんないる… 球彦くんもいる…』
嬉しそうな顔で呟く。
『研磨くん… あ、じゃなくて、みんなこれ…』
「お、なにー?」
『ツトムくんのとこのカフェでサモサ揚げてもらった。みんなの分』
「へー!すげー良い匂いするー!いいの?」
『うん、でもみんな今からコンビニとか行こうとしてたかな。
お腹いっぱいになっちゃうから、これは持って帰ってってしてもいいし…』
「いやいや、運動部男子はサモサ一個じゃ腹一杯になんねーから安心して」
「弁当食ったとはいえ、大会あったし」
「サモサってなんすかー?」
「パニーニの仲間」
「へー!」
みんなが穂波のとこに群がって
それから最後の一つを持って穂波がおれのとこにくる。
『研磨くんも今食べる?』
「…ん、半分こしよ」
『うん、じゃあそうする』
「どうやってきたの?電車でこんな時間にこれた?みんなと話してたんでしょ」
『…ん。会場でて、あーすごい一日だったなぁって思って、
そしたら研磨くんと音駒のみんなに会いたくなっちゃって…』
「うん、それで?」
『タクシーで来てしまった』
「ふはは 笑 明日会えるのに」
『うん。でもどうしても、どうしても、今日会いたくって』
「…ん。 嬉しい」
『ねぇ、研磨くん』
「…ん?」