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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第35章 fun






『はい、もしもし』

「あ、穂波。今大丈夫?」

『うん』

「会場で観てたんだろ?」

『うん』

「…音駒のセッター、すごいじゃん」

『…ふふ。みんなみんなすごかった。みんなみんなすごい』

「大会屈指の曲者って言われたぞ」

『あはは!実況の人に? おもしろいねぇ』

「諦める気はないけど、さ」

『うん』

「なんていうか、穂波が幸せでいてくれれば良いわ」

『へっ』

「いや、実際会ったらそんな可愛げのあること言ってらんねーと思うけど」

『可愛げっていま自分で言った!笑』

「うるせー やっぱ撤回。 大学のこと進んだ?
つっても電話してからまだそんな時間経ってねーか」

『…いろいろクリアにはなってきたし、うん、エッセーは書いてる』

「テストは?」

『アプライした。東京会場で、2月に。とりあえず受けてみようと思って』

「穂波ってそんな英語できんの?」

『喋れるだけじゃだめだしなぁ』

「おい誤魔化すなよ」

『さすが白布くん。そうだね、まぁ、普通にってくらいかな』

「…はぁ 曖昧だなお前ほんとに」

『…だって、英検とかTOEICとか受けたことないから、伝えようがない』

「確かに。 でも普通に不安ないんだ? 
っていうか2月に受けるってことは問題の内容はわかるってことだもんな」

『まぁ、それは、現地の高校生並みにはわかるよ。普通に』

「…それはできるっつーんだよ、ボケ」

『ぼっ ぼけって』

「…笑 日本で受けるのはインターナショナルスクールとかのやつがほとんどだって」

『…まぁそうだろうね。帰国子女とか』




白布くんいろいろ調べてくれたんだな。きゅん




「白鳥沢、進学校だからさ、ちょっと聞けばわかるやつとか先生とかいて…」

『…ふ』




電話の向こうでもごもごと補足をする白布くんが愛おしい。




「まぁ良いわ、点数また教えて。
エッセーが選考の要って聞いてても、やっぱ気になるし」

『うん、白布くん。ありがとう。
白布くんの話もまた聞かせてね』

「うん、じゃあ、またな」




…ううう、優しい。そして、この感じ。
白布くんももっと知りたいって言ってくれてた。

自分が本当に人に恵まれてるって、わかってはいたけど。
なんだか今日、しみじみと沁み入ってくる。






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