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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第35章 fun







『へ?』

「へ? じゃないし。穂波って呼ぶな。
穂波ってほんと天然たらしっていうか」

『てんねんたらし?』

「…そこはいいよ、もう。
飄々としとって好きって言って、俺みたいって言って。
それって俺のこと好きって遠回しに言ってるみたいじゃない?」

『…あぁ、確かに』

「確かに、ってなに?」

『確かにわたしは倫太郎のことがすき』

「は?」

『なんかね、ホーム感があるの。
だから呼び捨てもできるし、倫ちゃんって今すぐにでも呼びたい』

「ホーム感」

『うん、昔からの友達』

「…あぁ、確かに。それは俺も思うかも。 じゃあいいよ、倫ちゃんて呼んでも」

『ほんと? わーい』

「でもなんの小説なん? 倫太郎はいいやつなん?」

『すっごくかっこいい男の子だよ。わたしは読むたび恋をする』

「なんて本?」

『天の瞳』

「高校生?大人?倫太郎は」

『あ、ううん』

「…まさかじいs…」

『保育園児だよ』

「そっちかーい」

『でもだんだん大きくなっていくよ。すごくいい本。宝物』

「…ふーん.まぁいいけど」





倫太郎… じゃなくて倫ちゃん。
倫ちゃんの視線がまたコートに移る。
3セット目が始まった。

倫ちゃんって呼ぶとホーム感がさらに高まる。
お隣さん家の幼なじみみたいな勢いで親近感。






『倫ちゃん』

「なに?」

『呼びたかっただけ』

「………」

『倫ちゃん』

「………」

『東京来ることあったらうちに遊びにおいで、
きっと仲良くなれるひといるし、一緒にスケボーしよう』

「いや俺そんなコミュ力ないし」

『そういうことじゃなくって、なんていうかきっと。そのままで』

「よぉわからんけど、いいよ。行くわ」

『うん!』

「…んで、どうやって行けばいいのん?」

『あ、そっか。治くんにLINE教えた』

「へぇ …で?」

『東京に来ることあったらその時治くんに聞いてもらえれば』

「なにその2番手感。 いま教えろや」

『あ、そっか。え、でも未定なのに必要?わたしの連絡先なんて』

「…なんちゅー使い方しとるん、LINE。用事の時だけしか使わんの?」

『他にどうやって使うの?』









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