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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第35章 fun








「でも北さん、逃げるわけでもビビってんのともちゃいますけど…」





電話が終わるのを少し離れたところで待っていてくれたみんなのとこへ行くと
ちょうど治くんが何か言い出したところだった。






「試合の後にいきなりそんなん言われても迷惑ちゃいます?」

「そうやんな、しかもあれですよ北さんも見てました?
烏野の対戦相手やったとこなんです。あれ、めっちゃ疲れてますよ」

「…それにまず腹減ってますって、絶対。
メシ食うてからにせんと、マジで生き埋めにされてまう」

「…治は自分が腹減ってんねやろ。
…でもそれもあるな、試合終わってゆっくり飯食ったらええよな。
ほんでも、そない時間かかることと違うけどな。
穂波ちゃん、電話は何やった?」

『あっとね、一緒にお弁当食べようって』

「…そか。 ほんなら俺らもメシ食うてからもっぺんでなおそか。
なんか俺らがすっきりしたいばかりにことを急いでもあかんしな。
穂波ちゃん、また電話するわ。
彼には悪いけど、そんとき少しだけ付き合うてもろてや」

『うん、わかった。
…でもほんとね、彼はそんな気にしないと思うからほんと、いいんだよ。
わたしが話せばいいことだからさ』

「…それが怖いんやて!
なに?気にせんって? お仕置きとかされるんちゃうん?」

「わたしが話せばいいってのも、なんかおっかないわ」

『いやだから、彼はそんな人じゃないんだよ』

「まぁ、ええわ。ほんなら、電話するから、よろしく。
ゆっくり食べや。 また、あとで」







信介さんに連れられて他の3人もぞろぞろと歩いて行った。
なんだか、変な展開。

でも信介さんに頭の上がらない3人の感じがかわいい。









研磨くんが迎えにきてくれるって言ってたとこまで行って、
それから音駒のみんながお弁当食べてるところに行った。






顔をみればまた涙が溢れ出て、
ひとりひとりにありがとうとハグをした。

研磨くんと海さん以外、
程度の差はあるけれどみんな目の周りが赤くなっていた。
それを見ただけでもまた、胸がきゅうとした。







観客席からではわからなかったあれこれもあるけど、
別に聞かなくていい。

ここにこんな風にいさせてもらえるだけで、幸せだな。











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