第35章 fun
ー侑sideー
メシ食い終わって、
ほんならちゃんと謝りいくで、言うて歩いとんのやけど…
「いや待って。
弁当食べながら穂波ちゃんが先に話してもーて
携帯取り上げられたりとかせーへん?」
「…あり得るわ」
「もし携帯取られんでも、北さんから着信あったら、
何で他の男の電話番号しっとんのやいうて怒られるんとちゃうん?」
「…せやで」
「北さん電話せんと誰かに聞けばいいんちゃいます?」
「なんや、そんなおっかないやつなんかいな。俺はそんな風に思わんけどな。
でも別に電話せんでも確かに会えるわな。そんなら、そのままおりそうなとこ行ってみよか」
ー研磨sideー
弁当食べ終わって、ゴミ片付けて
梟谷の試合始まる前に会場戻ろうか、ってことになって。
穂波は海くんとなんか話してる。
海くんと話してる時の穂波はほんとに穏やかな顔をする。
菩薩が2人… マイナスイオン…
そしたらリエーフ達と先に行ってた犬岡が走って戻ってきた。
「あのー研磨さん」
「え、何」
なんか、ちょっとビビってるような。
「稲荷崎高校の主将の方が、研磨さんのこと探してます。廊下で」
「…え なんでそんなおどおどしてるの?」
「いや別に、でもなんか迫力やばくって。宮兄弟とあと10番のMBも一緒にいます」
「…えー」
なにそれ心当たりなさすぎて、穂波関係としか思えない
「別に待つのは構わんから、そちらのええ時に来てくださいって伝えてくれって」
…こわ
「…ん。わかった。ありがと。 ちょっとしたら行く」
「海くん、福永、おれちょっと先行ってる。
穂波も、あとでね」
クロと夜久くんと虎が出ようとしてるから
どさくさに紛れて一緒にでる。
「おや?穂波ちゃんといねーの?」
「海くんといる穂波かわいい。
福永といる穂波も。だから邪魔したくない」
「あら。 俺といる穂波ちゃんは?」
「………」
クロといるとすごいカップルっぽいけど、クロだし。
邪魔したくないとかそういうんじゃない。