第5章 夏
9:15。
『どこ行こうね?』
ツトム「一時間ちょいで着くとこが良いよねェ〜 房総?鎌倉?」
『いいね!どっちもいい。海は入れないからなぁ…』
ツトム「クラゲ?」
『クラゲも、うん、そうだね』
ツトム「…なるほどね。研磨くん、昨晩はおあずけか」
研磨「!」
『………後ろからギュってしてくれて、すごい幸せに眠れたんだよ』
ツトム「おっと、いきなりの惚気。よかったね。俺もいつだってしてあげるからね?』
『………鎌倉、海入らないってなると、お寺とか?買い物とかになるかな』
ツトム「房総の方がいっかね…なにするでもないけど…ま、ビーチに行くだけでも楽しいんじゃん?
野郎ばっかだけど…」
『…ツトムくん、ありがとう』
ツトム「今日どっか連れてこうかなって昨日話したら、シゲさん資金バックアップしてくれたから。
こっちこそありがとうです」
『ふふ、きっとお父さんには当たり前のことなんだよ。…カズくんも行くかなぁ』
穂波は宿題をしてるカズくんのところへ
『カズくんも車でどっか行く?』
「…サーフィン?」
『…カズくん、入りたい?』
「…別に。穂波が入るならって思っただけ」
『わたしは今日はやめとくけど、カズくんが乗ってるとこはみたいな。
あ、じゃあ、スケボー持ってくのは?』
「…ん。研磨も行くの?」
『研磨くんも行くよ』
「じゃ、行く」
『研磨くんが行くなら行くって』
研磨「………」
ツトム「おっけーじゃあ、ちょっと片付けやって準備して出発するか〜
帰りそのまま帰れるようにしといてね〜」
『カズくんは、宿題してていいよ。あ、持ってくものだけ用意してネ』
とりあえず布団をまとめて、
クロたちが寝た部屋に掃除機かけたりした。
みんなある程度やることが終わって、車に向かう。
穂波ん家の大きい車をツトムくんが運転していくらしい。
穂波はいつになくボーイッシュな格好をしてる。
黒いグラミチのパンツに、カーキのTシャツをインしてる。
足元はいつものビーサン。
髪は下ろして黒いキャップをかぶってる。
初めてみたけど、これはこれで………すごくかわいい。