第5章 夏
ー研磨sideー
穂波が朝ごはんを作ってくれてる間、
日陰に椅子を移動させて外で過ごした。
「研磨ぁ!おはよ〜」
…遊児が来た。
「…おはよ」
遊児「寝れた?」
研磨「………うん」
遊児「ふぅん………あ、そっかカズマがいたんだもんな」
研磨「…………」
カズくんがいなくても、昨日はしなかった。
いっぱい寝かせてあげたかった。
でも、そんなこと遊児に言う必要はない。
キッチンに目を向けると、
夜久くんが手伝いをしているようだった。
今日の朝ごはんはなんだろう。
呼ばれてテーブル行くと、やっぱり美味しそうな朝ごはん。
漬け物もある。おれ、穂波ん家の漬け物、好きだ。
クロ「どれもこれもうめぇな…」
夜久「すげー手際良く作ってたし、手伝うってなったら指示も的確なんだよ」
クロ「来年、合宿んとき来てくれたら、他校マネも助かりそうだわぁ〜
研磨のモチベーションもあがるだろうし」
夜久「俺もそれ思った!」
研磨「…ちょっと。…会えなくても大丈夫だし」
クロ「………ここは、別に。じゃねぇんだ」
研磨「…………なに」
クロ「なんでもない」
みんなすごい量を平らげて、食事を終える。
『わたしが食べたいだけなんだけど…』
穂波はそう言って笑いながら、
果物いろいろを用意して持ってきた。
『みんなフルーツ本当ありがとう。美味しいねぇ』
穂波はほんとに果物が好きなんだな…
すっごい美味しそうに食べる。
お土産にしてよかった。
片付けをなぜかみんなで騒がしくしながらしていると、
ツトムくんがやって来て
「みんな今日オフなんでしょ?車借りてどっか行く?」
って言いだした。
遊児は二つ返事で喜んでいて、
クロと夜久くんもバレーばっかだったしなぁと行く気みたいだ。
『研磨くん、どうする?好きにしてね?』
好きに、するけど…
「…ん。穂波は?」
『ドライブいいかなぁて思ってる。遊児明日帰っちゃうし、行こうかな』
「…ん。お腹は大丈夫?」
『…研磨くん、ありがとう。大丈夫だよ』
「…ん。じゃあおれも行く」
『…ふふっ 嬉しい』
……いつこもあのくしゃっとした笑顔。
花みたいな笑顔。見るだけで、嬉しくなる