第5章 夏
『遊児とツトムくんは?』
「遊児はシャワー浴びるってお風呂行ったよ。ツトムくんはまだ寝てる」
『そか、じゃあ仕上げて食べよっか』
「ねぇ、なんか手伝うことない?穂波ちゃんが料理してるとこ見てたらなんかしてみたくなった」
『…ほんと?楽しいよ。…じゃあ、冷蔵庫に入ってるトマトときゅうりのお皿だして、ササミを……』
「おっけー」
夜久さんにタレを混ぜてもらったり、お味噌汁溶いてもらったり、
お皿によそって薬味を添えてもらったりしてる間に、
テーブルに小皿や箸、飲みものを用意していく。
それからいっぱいお酒を飲んだ大人たちのために、別の土鍋でお粥を炊き始める。
普通逆なのかもしれないけど、夜久さんが料理してみたいって思ったのかなって思って、
そっちをお願いしてみた。
『夜久さん、ありがとう。みんな呼んでくるね。
お味噌汁、このお椀によそってもらってもいいかな?
……わたし、人使い粗い?笑』
「あ、ううん!全然!すげー楽しい」
(やばいちょっと…顔覗き込んでお願いごとって可愛すぎる…)
『ほんと!?じゃあ、よそったらこのゴマをさパラパラってちょっと潰すようにして…』
「おっけー」
庭で各々過ごしてるクロさんと研磨くん、それから遊児に声をかける。
ソファじゃなくて床に座って宿題をしてるカズくんにも。
『カズくん、お待たせ。ご飯できたよ』
「…ん」
棒棒鶏サラダ、オクラの湯で浸し、那須の煮浸し、目玉焼き、納豆。
豆腐とモロヘイヤのお味噌汁、土鍋ご飯。
ぬか漬けと梅干し。
『夜久さん、手伝ってくれてありがとう。一緒にするの楽しいね』
「おぅ!旨そ〜〜〜」
みんながきたらごはんをよそっていただきます♪
「ふわぁぁぁーーー寝たー」
階段からツトムくんが降りてきた。
『ツトムくんおはよう〜』
「おはよう〜 穂波ちゃんメシだ」
『…ん。今お粥も炊いてるよ』
「お〜みんな喜ぶワ。…俺はもちょっとしたらこっちいただく」
ツトムくんはそう言ってお水を手にテラスに行った。
高校生組の食べっぷりは、休日でもすごいみたいでいっぱい食べてくれた。
研磨くんはいつもと一緒かちょっと少ないくらい。
無くなる前に、ツトムくんに取り分けておく。