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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第32章 あわ







「マルチリンガルって何カ国語だ?」

「四カ国語以上じゃないっけ」

「マジかー 周平はそれで何喋るわけ」

『英語、フランス語、ロシア語、中国語、スペイン語…かな』

「ひぇ〜… 日本語も入れると六カ国語じゃん。 ちなみに穂波ちゃんは…」

『わたしは全然!英語がちょっと喋れる日本人って感じです』

「またまたぁ〜」




…この間聞いた感じだと
英語がちょっと喋れる日本人程度では
アメリカにストレートで正規留学はできない。

現地で語学学校に入るか、簡単な短大にまず行って、
必要なスキルをつけて編入ってのが一般的な流れらしい。
まぁ、普通に考えてそうだよね。

でも穂波は日本の4大に日本人が行く感覚で
アメリカの4大に行こうとしてる。

おれは英語が喋れるわけじゃないから、
いま穂波の英語のレベルがどのくらいかとかわかんないけど、
穂波がこれからしようとしてることには
ネイティブレベルの英語は最低装備だってことはわかる。

それについて話してる穂波は
楽しそうでわくわくした顔をしてた。

コンペとか勝負とか諍いとか、
そういうのから遠いとこにいる穂波が、
どんな風に目に見える形で自分の価値みたいなのを証明していくのかなって、おれも楽しみ。
点数とかも当たり前に必要なんだろうし、
エッセーは読んでも意味がわかんないだろうけど話は聞きたいなって思うし。






「なぁ穂波ちゃん、あと研磨」

「…?」

「春高後、英語の先生してもらえませんか?」

「…なんでおれ」

「いや、研磨にも許可取っておかないとと思って」

「…あぁ」

「俺ね、こう見えて別に成績はそんな悪くないのよ。
でもこうね、よりね、いい大学に受かりたいのでね。
そのーなんつーか… 年下に頼むのも変だけど、この場合英語なら変じゃないだろ」

『うん!もちろん!わたしも訳あって勉強多めにしたいから』

「…でもステージが違うんじゃないの」

「ステージが違うとは?」

「多分いま穂波に必要なレベル上げは日本人に文法を教えることじゃない」

「………」

「…あ、別にクロに教えるなって言ってる訳じゃないよ」





ただそれは、穂波のレベル上げにはならないって思っただけ。












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