第31章 ガーベラ
ー穂波sideー
お父さんと研磨くんと3人で朝ごはんを食べる。
焼きおにぎり、根菜たっぷりのお味噌汁、車麩の照り焼き、卵焼き、
ほうれん草のお浸し、人参の白和え、糠漬け(長芋、白菜)
「…あー、うま」
「うん、美味しい。穂波の糠漬けもずいぶん美味しくなったな」
『ほんと?わーいありがとう』
ぬか漬けがおいしくなった、って相当嬉しいなぁ。
「…穂波、みんなからのプレゼントはまだ開けてないのか?」
『うん、まだ』
「アキから研磨くんにも届いてなかったっけ?」
『…あ!』
すっかり忘れてた。
『ごめんね、研磨くん。すっかり忘れちゃってた。
研磨くんのこと独り占めしちゃってた』
「…? ひとりじめ?」
『…あ、いやなんでもない。
んと、ご飯のあと時間まだありそうだし、開けてみようね。
わたしもお兄ちゃんからの、一緒に開ける』
「…え、あ、うん」
ご飯を食べ終えて、洗い物はとりあえず置いといて、
お弁当もあとはおかずを詰めるだけだし、
お兄ちゃんからのプレゼントを開けることにする。
お兄ちゃんもわたしと一緒で、
ピンと来るものがなかったら無理にプレゼントを選んだりはしない。
でも本格的にお金を稼ぐようになってからは、
そういう時も図書カードをくれたり、何かしらプレゼントしてくれる。
「…え、これ? なんか箱、思ってたよりでかい」
ツリーの下から研磨くんの名前が書いてあるタグのついた包みを見つけて、
研磨くんが呟く
「あ、研磨くん」
「…あ、はい」
「何が入ってても、その、遠慮しないように」
「………」
お父さん、言い方がなにか含みすぎてて面白い。