第31章 ガーベラ
ー研磨sideー
「…うわ」
…やば。
Razerのスピーカー。サブウーファーがついてるやつ。
それからRazerのノートパソコン。
「…えと」
お礼を言う相手もいないし…
ていうかちょっと…
プレゼントって多分金額じゃないけど… いや逆に金額…
…とりあえずカード読も
【Happy Holidays, Kenma!
部屋の大きさわかんねーし、
このくらいのサイズにしてみたけども。
遠慮なく受け取ってなー
物資提供という形の投資ってことで。
穂波のことよろしくな。
来月時間作れたら帰るわ。 Aki】
遠慮なく受け取る…
いやちょっと、遠慮なくは無理…
『研磨くん、付箋が落ちてる。 はい』
「…ん」
【追伸:遠慮するくらいなら出世払いで倍返しでよろしく〜
楽しみにしてるわ〜】
…ふ 笑
なにこれ付箋落ちるの想定して書いたのかな。
出世払いか。
なんでスピーカーもゲーミングPCも持ってないって知ってたんだろ。
…あぁ、朔さんか。
ネトゲでチャットしてて、そういう話になって。
俺はまだ自分の部屋でしてるだけで、
その上バイトもしてないし、ちょっとその辺はまだ整えれてないって。
そんなこと話した気がする。
「…とか言いながら、
穂波ちゃんにはお小遣い貯めていいもの選びにくるもんなぁ。
いいものって僕がいうのもなんだけど」
って、言ってた。
・
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支度を済ませてそろそろ駅に向かわないとな時間。
「…今日それ、取りに来てもいい?」
『あ、うん、もちろん。 …お家に誰かおられる?』
「いや、2人とも仕事」
『…そっか、なんでもないや』
「…ん。じゃあ、行ってきます」
穂波のほっぺにチュっとキスを落として家を出る。
…穂波はきっと家に届けてくれようとしたんだろうな。
たしかにそれはありがたいけど…まぁ自転車で来れるし。
【プレゼントありがとう】
出世払いがどうとかはわざわざ返さなくてもいいよね。
ぅわ… 早くゲームしたい