第31章 ガーベラ
ー研磨sideー
あれ… おれ寝ちゃってた?
アルバム見て…
髪乾かさないと寒いねって言って
お互いの髪の毛乾かし合いっこして
お腹空いてきたからご飯にしよっか、
すぐできるよって穂波が下に降りて行って…
おれもちょっとだけゲームしたら降りようって思ってたんだけど…
あ、布団。
穂波かけてくれたんだ…
ていうかどのくらい寝てたんだろ…
『…あ、研磨くん起きた?』
振り返ると畳んだ洗濯物を抱えた穂波がいた。
タオルとか下に持って降りるものを、持ってる。
「…ん。起きた。 …お腹空いた」
『うん。じゃあ、仕上げるね。いい時に来てね』
「…ん」
虎にとって、クリスマスにゲームすることと
クリスマスに一人で昼寝しちゃうの、どっちが罪が重いんだろう。
…穂波はどっちも、なんてことないって感じがする。
いやきっと、本当になんてことないことなんだろうな。
言葉に裏がない。
笑顔もいつもと同じ。
…やっぱすきだな、どこをどう切り取ってもすき。
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「わ。うまそ」
『ふふ… あったかいうちに食べよっか。 わたし炭酸水飲もうかな、研磨くんはお水にする?』
「前と同じやつ?」
『うん、あんまりしゅわしゅわしないやつ。微発泡ってやつ』
「…おれも飲む」
『うん、レモンいる?』
グラスを合わせてなんとなくの乾杯。
それから用意された食事に手をつける。
「…りんごだ。 …あ、うま」
『ふふ。よかったぁ。豚肉とりんごは合うよねぇ、美味しいよねぇ』
にこにこしながらマッシュポテトに肉にかかったソースをつけて食べてる
「…笑 今、肉食べてた?」
『え? あ、ううん。 肉エキスのでたソースとじゃがいも食べてた 笑
作ってる時から早くこれがしたくてしたくて』
「…ふ 笑」