第31章 ガーベラ
ー研磨sideー
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『あ、そうそう。それが白布くん』
去年みたいにまた、
階段登ったとこのスペースで穂波の小さい頃のアルバムを見てる。
前はミイラごっこに持ってかれちゃってから、他の写真なんて見れなかったから。
白布というやつと小2の頃に撮った写真を、
おばあさんが先日手紙と共に送ってくれたらしくて、
それが今見てたアルバムの最後のページにいれてあった。
確かに綺麗な髪の色だな…
「…笑 ちょっと、なにこれ」
顔含め服で隠れてない肌に絵の具か何かで色をつけて、
壁とか…ソファとかに同化 …できてないけど
同化しようとしてる写真。
何人かの高校生らしき人と2人の小学生らしき人。
クリスマスツリーが映ってるから、ミイラごっこの翌年のクリスマスとか?
…馬鹿だ。
『あはは!それ久しぶりに見たー すっかり忘れてたー笑』
「…これを忘れれるってすごいね」
穂波は赤い地の柄物のワンピースを着て、
タイツも同系色の柄物で、顔と手と首は赤く塗られて柄が描かれてて…
金色のリボンを巻かれてクリスマスツリーの下に体育座りしてる。
…まだ可愛い方だけど
…いやかわいくないか …馬鹿だ
「これは周平?」
『うん 笑 周平馬鹿だね』
「いや、周平っていうか…」
『皆まで言うな…』
「…笑 なにそれ」
周平はストーブの前にいて、
なんか多分ストーブの中を再現してるんだと思う
服は多分黒?でももう、灰色とか赤とかオレンジの塗料でストーブ感漂う色に。
色は多分周平が塗ったんじゃないんだろう、綺麗。
…っていうか、これ相当綺麗。
でもポーズが馬鹿丸だしで意味わかんない。
『当時のお兄ちゃんの彼女が写真撮ってくれてるんだけど、美大生でね。
絵が上手でさ、このわたしの足に模様も描いてくれたんだよ』
「え、これタイツじゃないの?」
『ね、この引の写真だとわかんないよね。 でもほら』
ページをめくるとそれぞれのディテールの見える写真があって、
穂波のワンピースの下は生足だってことがわかる。
生足だけど、赤く塗られてその上にクリスマスの包装紙っぽい柄がやたら綺麗に描かれてる。
顔や首、手も同じように細かく柄が彩られてる。