第5章 夏
ー穂波sideー
「…研磨、みせて」
カズくんがお風呂から上がって来て、第一声がそれだった。
すごく興奮してるみたい。
『カズくん、髪乾かさないと』
カズ「研磨も濡れてる」
『…だね。でももうちょっとタオルでわしゃっと。おいで?』
まだ滴るほど濡れてたから、わしゃわしゃとタオルで拭いた。
『お風呂上がってからお水も飲んでないんでしょう?はい、どうぞ』
カズ「…ん」
ごくごくとコップの水を一気に飲んで、
カズくんは研磨くんの横にスツールを移動させて座る。
わたしには見てどうなるのかとかわかんないけど、
カズくんと研磨くんにはわかるんだろう。
微笑ましい光景だな…
クロ「…おもしろい光景だな」
『…うん、微笑ましい。……あ、クロさん服、取りにいこっか。その間に夜久さん入るかな』
夜久さんにお風呂どうぞと伝えて倉庫へいく。
『クロさんって身長いくつ?』
「183」
『まだまだ伸びてる?』
「そのつもり」
『…ふふ。サイズこの辺かなぁ?やっぱ落ち着いた色がいいかな?』
「パジャマだし何でもいいよ〜」
『クロさんも好きにみてていいからね。パジャマと明日の着替えと選ぼうよ』
クロさんくらいの身長は結構周りにいて、
B品も結構ではらってて、研磨くんの時より時間がかかる。
「ねぇ、穂波ちゃん。これさ、俺じゃなくても来た?ここに一緒に」
『…へ?』
「他の男が、手伝うよ〜っつってこんな声も届かないとこについてくるって言っても、
興味あるなら〜って、一緒に来た?」
『………うーん、人によるかな。誰とでもってわけじゃない』
「………いやここは、うん一緒に来たよ。っつって、それじゃ危ないでしょって俺が説教するとこなんだけど」
『…え?あ、そっか。そうだよね。自分ん家だし、全然気にしてなかったや。ありがとう、クロさん』
「人によるって答えは逆にあぶねぇと思うよ?勘違いヤローはそれでスイッチ入るかも」
『…そっか。難しいな…』
「まぁ、研磨がアウトって思ったら多分それはアウトだろうから、研磨の前での誘いならある程度心配ないけど。
でもこれから体育祭とか学祭とかまたいろいろあんだろ〜。気ぃつけなよ〜」
『…はい』
「…ブッ。笑 良いお返事」