第31章 ガーベラ

「…もう？」

『………』





もう？ってそりゃ、
触れてるところはソフトなとこだし
触り方もソフトだけど…

完全にゆっくりじわじわとされていたわけで

He’s been killing me so softly... and so sweetly...




「そっか　ほんとかわいいね、穂波」




こころから言ってくれてる。
優しいキスも全部、研磨くんの気持ちがこもってて…
そこの何の疑いもない

でも何だろう、捉え方というか
想像力をちょっとあらぬ方向に働かせて違う設定を作ってみると
わたしはまるで籠の中の鳥。

鳥でなくとも、研磨くんに囚われた何か。

丁寧に調律するように、
ゆっくりとそしてあくまでも甘く嬲るように追い詰められていく

気付いた時には動けない
心身ともに研磨くんの、虜。






やだ… 現実はそうじゃないからこそ、
ちょっとゾクゾクってしてしまった。　興奮。







「…穂波？　何考えてるの？」

『あっ…』






最初から敏感なのに
さっきまでのゆっくりじわじわによってさらに感度を高められていた胸の突起を
研磨くんの唇がやわく包み、小さく舌先で弾かれる








「おれのことだけでいっぱいにして」

『…んッ　あ、いや』

「いや？」






舌でちろちろとされながら、
もう片方は３本の指でやわくつままれる







『もう　すでに… 研磨くんで　…ッいっぱい』

「…ふーん」







突起を優しく吸い、舌で押し潰すように撫でる。
それから唇を窄めながら一旦離れると、小さくちゅぱっと音が鳴った







「何かまた想像したんだ」






もう一度顔をあげ、わたしのことを覗き込んでくる。

言葉責めじゃない、
この淡々と気になることを聞いてるだけの研磨くん。

冷静で試合中やゲームに集中してるときとさほど変わらない表情。
でもうっすらと頬は紅潮し、確実に瞳に色を宿してる

わたしだけに見せてね、これからも　ずっと







「おれのなにを想像したの？」