第31章 ガーベラ
ー穂波sideー
ゲームをする研磨くんの横でぼーっとストーブの火を眺める。
心が静かになるんだよなぁ…
火が燃える様はほんとに。
ふと視線を感じて横を向くと、
研磨くんがじーっとわたしのことを見てた。
「穂波、すき」
『………』
そんな、なんの前触れもなく…
『…ん。わたしも、研磨くんが大好き』
「ホームアローン観たいな」
『へっ?』
「あるかな」
『うん、あると思うよ。今観る?』
「ううん、今はいい」
『…ん』
「穂波、ちょっとこっち。 おいで」
研磨くんはゲームを机に置いて、膝をとんとん ってする。
『…ん』
研磨くんに誘われるままに足の上に跨るように、
ソファの隙間に片膝を乗せる
上から研磨くんを見下ろし、研磨くんの髪を耳にかける
そんな、綺麗な目で真っ直ぐ見上げられると、
全部全部明け渡したくなっちゃう。
研磨くんの手が首の後ろに伸びて、そのまま引き寄せられる。
唇が触れる。
そっと、触れるだけ…
一度目を見やすい距離だけ、少しだけ離れる
『…すき』
「…ん、おれも」
『…ん』
もう一度、次ははむっと、優しく甘く、
頭の角度を変えながら 口付ける。
啄むように、何度も。
小さく鳴るリップ音や息をする音が、たまらなく愛おしい。
「…おれ、すきだ、穂波のこと。 離したくない」
この頃、ちょこちょこ、この類のことを研磨くんが言うんだよな…
『…ん』
「おれさ…」
研磨くんの腕が腰に回り、
足にの上に座るようにぐーっと下に向かって誘導される
「…やっぱなんでもない 穂波、おれ夜まで待てない」
『…ん、わたしも。 だから待たなくていい』
「布団でしたい」
『うん、部屋行こっか』
「…ん」