第30章 rollin’ rollin’
ー穂波sideー
わたしが京治くんの想い人だとして、
彼氏がいるけど京治くんにキスされたら、か…
『どう…だろう?』
「ごめん、忘れて今の」
『………』
「…変なことを聞いてしまった」
『びっくりするとかそういうのが順番にあったとして…その後にくる感情は、そうだな…
あくまでも愛のあるキスだという仮定で良いでしょうか?』
「…え? どういう意味?」
『…あ、えっと …ん?』
京治くんはやっぱこの質問なしで、といった感じで、
でも気になって聞いてくれたなら答えたいと思って続けようと思ったんだけど…
なんだか思ったように話が進めれなかった。
そして途端に恥ずかしくなる。
「…ご…めん…… そんな、かわいい顔されると…」
『かっ… いやそんなわけなくって あーっとね、ちょっと待って』
「…なんか久しぶりだね、こうやって2人で歩くの。
夜道を一緒に歩いたのは、銭湯まで行った時以来だ」
『…そうだね、うん。そうだね! あれは、再会した日の夜だよね?
あぁ、すごい、懐かしいなぁ…』
「…だね それと同時についこの間のことのような気もするし」
『うん』
「………」
『あ、えっとね、もしキスされてもね、ドキドキして、それで終わると思うよ』
「え?」
『嫌な気持ちにさせちゃうかな、とかそういうことかなぁ、って。京治くんが気になるのは。
もちろん、なんだろう嫌な気持ちになる場合もあると思うし、
わたしは多分これに関してマイノリティで、彼氏の対応もマイノリティなんだと思う。
だから、相変わらず参考にはならないと思うんだけど…』
「………」
『京治くんの衝動的なそれを想像しても、一つも嫌な気持ちにはならないかな。
まぁ実際その時になってみないとさ、いろーんな条件っていうか流れがあるだろうから、
…って深く妄想しすぎだし、熱く喋りすぎだね。 まぁ、そんな感じだ。
せっかく聞いてくれたからちゃんと答えれたらなぁと思ったけど、返答になってるかな?』
「………」
うん、ちょっと喋りすぎたかな。