第5章 夏
『カズくん、ここにいるお兄さん、わたしの彼氏の研磨くんだよ。よろしくね。
研磨くん、彼はお母さんの友達の子、カズくん。よろしくね。
カズくんはね、サーフィンもスケボーもすっごく上手なんだよ』
カズ「…………」
研磨「…………」
『…ふふ。あ、お風呂沸いたね。果物はお風呂上がりも美味しいから、入ってくる?』
研磨「………カズくんは?」
カズ「………いいよ。研磨先入って」
『…ふふっ。研磨くん入っておいで?』
研磨「…ん。穂波は?一緒に入る?」
『ふぇっ?…あぁ、うん、どうしようかな…わたしは今日シャワーだけでいいんダ』
研磨「…そっか。じゃあ入ってくる」
『…うん、ゆっくり浸かってね』
鞄から着替えをだして脱衣所に入ると、
後ろから穂波がきて抱きついてきた。
『…研磨くん、また一緒に入ろうね。わたしいま生理来てて…だから、また?』
「…ん」
『…それだけ』
そう言って腕を離したので、振り返って唇を奪う。
浴衣姿とか、夏祭りとか、今の今のかわいさとかが溜まって、
いきなり熱を帯びる…
穂波はおれの背中に腕を回し、
おれは両手で顔を抱えて、貪るようにキスをした。
勢いでいつに間にか壁の方まで押して行ってしまって、
扉近くの壁にぶつかり行き止まる。
『…ンハァ………』
それでも熱は引かず
舌を絡めあい、角度を変えて何度も口付けを交わす。
時々漏れる吐息が更に熱を掻き立てた。
「ちょっとトイレー!」
夜久くんの声が聞こえてハッとする。
トイレは突き当たりにあって、脱衣所の前の廊下を通る。
脱衣所の扉はあいたまま…
『…ふふ。お風呂、入っておいで?…研磨くん大好き』
「…ん。入ってくる」
穂波が廊下に出て扉を閉める。
穂波ん家のお風呂つかうのももう4回目。