第5章 夏
ツトム「……… …遊児のいるとこに入る余地もどこにもないよ?」
3人「!」
ツトム「さらっと穂波ちゃん言ってたよねぇ」
夜久「ツトムくん、そんな煽ること…」
クロ「………」
ツトム「あれはどういう意味だろうねぇ?従兄弟として、親友として?一人の人間として?」
夜久「…そりゃ全部っしょ!従兄弟だから小さい頃から一緒に遊んで、親友にもなって…」
遊児「……… …遊児みたいな人じゃなくって、遊児と違う形で出会ってたら惹かれてたかも…」
クロ「………何それ?言われたの?」
遊児「山でターザンする前に」
クロ「…ターザンて」
夜久「ワイルドかよ。…いやワイルドか」
遊児「…あれ、俺まだ脈あんじゃね?」
ツトム「従兄弟は四等親だからね〜」
3人「……………?」
ツトム「従兄弟同士の結婚はオッケーなのさ」
遊児「えっ!マジ?ひゃっふーーーい!」
夜久「………で、でもさ、今は多分入る余地ないよ。さっき遊児も言ってたじゃん」
遊児「……まぁなぁ〜………でも従兄弟だからって諦める必要はないって分かった。
やべ、めっちゃテンション上がるわ〜」
クロ「………(遊児には悪いけど、多分脈はねぇだろ)
ツトムさん、遊児が不憫だからそれくらいにしてあげて」
ツトム「………?俺はこの耳で聞いたことと法律上の事実を言っただけだよ〜ん」
クロ「もっと馬鹿っぽい猿かと思ってた…」
ツトム「君たちより少し長く生きてるし?…あ、穂波ちゃん研磨くんとこに行った」
・
・
・
『研磨くん、カズくん。果物切った。食べる?』
穂波が果物を盛り合わせたお皿を持って来た。
研磨「…あ、うん」
『…ん。置いとくネ。…カズくん、隣座るね〜』
そう言いながら、桃を口に運ぶ。
『どひゃ〜美味しい。ついつい出始めにどかーって食べちゃうけど、この時期の桃も甘くて美味しいねぇ♡』
研磨「…………」
カズ「穂波、ちょっと口に入れて」
研磨「!…………」
『何でもいい?はい、あーん』
そう言いながら、穂波はマスカットをカズくんの口に運ぶ。