第30章 rollin’ rollin’
ー穂波sideー
12月。
わたし自身はいそがしくしていないのに、
ちょっと周りがばたついてるというか。賑やかだなぁ…
いや、ばたついてはいないけど、
研磨くんたちは春高に向けて研ぎ澄まされていってるし。
研磨くんもやっぱ翔陽くんがいるから、
変わらないけどでもやっぱりちょっと違うし。
お兄ちゃんは昨日、ハワイでのツアーファイナルが始まったし。
早速レイデイだったから昨日は試合そのものはなかったけど…
蛍くんとは2回も電話で長めに話したし、
白布くんとは初めて電話で話した。
カズくんのクリップ撮影見学は、いつもの感じだけど、
そのあと、千鹿谷くんと影山くんに遭遇して、影山くんと過ごして。
影山くんを見送ったら侑くんと知り合って、結構喋って。
賑やかだ。
旅してるみたいな12月。
そんな中、特に旅感がありながらも
スローペースで平和で、癒し効果を抜群に発揮しているのが、
京治くんとの葉書でのやりとりなわけで。
金曜日に届いた葉書の返事をその日のうちに書いて、昨日ポストに投函した。
普通郵便だから今日は届かないだろう。月曜?火曜?この感じに妙に心休まる。
既読もつかない、いつ届いたかもわからない。
まぁ今は近いうちの約束があるのでそれでもハイペースすだけど、
約束がないときはもっと気ままに、ゆったりできるだろう。
宮城千葉のおばあちゃん以外にも、国内に文通相手ができてしまったかもしれない。
…あれ、でもどうなんだろう。
京治くんに彼女ができたらって思うと。
できなくても、どうなんだろう。
わたしには彼氏がいて、その彼は別にいいんじゃないって感じだ。
文通だ…笑 おもしろいね、っていう感じ。
でも、どうなんだろう。
文通相手ではなくて、今回は16日までのそのやり取りのため、だな。
そのあとはやっぱ、海外に行った時とかに葉書を出す、くらいにしよう。うん。
何かピンとくるプレゼント、あるかなぁ。
もしなければやっぱり最後は食べ物。
コーヒー豆とか…んーでも、家でコーヒー淹れるかな。
万年筆とかすっごいしっくりくるけど、
ちょっとね、場違いというか、いろいろ違うなぁという感じ。
まぁ、あまり考え過ぎずにいろんなお店見てみようっと。