第30章 rollin’ rollin’
『もしかして侑くんって…』
「ほな、行こか」
………。
「ん?なんやった? 歩きながら話そか」
『…笑 行くってどこに?歩くってなに?』
「そんなんこの流れからゆーたら、喫茶店かそれかホテルに直行かやな」
『…笑』
「いや、わろてるけども、マジやで?」
『いやいやいや、ちょっとよくわかんないけど、侑くんはどこの人?京都?』
「せやろ、俺品があって京都っぽいやろ」
『んーなんか、笑顔で毒づきそうな感じ』
「なんやそれ、知り合うたばかりで失礼やな! 京都の人にも失礼やぞ!」
『あ、ごめんね。 でも、そういうの似合うなぁと思って』
「おーおおきに、よぉ言われんねん …ってなるかいな!」
『…笑 京都じゃないな』
「なんでやねん! …まぁ、京都ちゃうけども。兵庫やで」
『おー兵庫。 兵庫ってさ、山、良いよね』
「山?」
『山じゃないか、里?』
「里… 田舎っちゅーこと?」
『うん、あの辺りから山陰にかけての長閑な感じ好き』
「へードライブするんやんな? え、いくつ? もしかして大学生?」
『うそ、そう見える?丸の内にいると大人っぽく見えるのかな』
「…なんやそれ」
『前、丸の内に来た時も、初対面の人とちょっと話が盛り上がって』
「なんなん、それ。いつもここらでナンパ待ちしてるん?」
『…笑 もう、いちいちそういうのやめて。笑
寄り道多いなりにわたしもまっすぐ行きたいんだから』
「…笑 いやだからなんなんそれ、寄り道とかまっすぐとか」
『だーかーらー!笑 そういうのは適当にスルーしてね?』
「うっわ!今の反則や! 首傾げながら ? つけて頼み事するんわあかんて!」
『もー話がごっちゃごちゃ。もう一人いて欲しい』
「…?」
『わたし一対一でお話しするのが好きなんだけど、侑くんとはもう一人いてほしいな』
「どーいう意味や、それ。 失礼ちゃう」
『…なんていうか、冷静に侑くんを黙らせれたり、時にばしっとツッコミ入れてくれる人』
「まーな、それもええかもな。 それは治ちゃうな。アランくんか北さん辺りや」
『…?』
「なんでもない。 紹介してたまるか!」
『…意味がわからない 笑 けど正直とっても楽しい』
「せやろ!俺とおるんは楽しいで!」
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