第5章 夏
ー研磨sideー
縁日の灯りの中見る穂波が色っぽくて仕方がなかった。
遊児の言ってた「手、離すなよ」の言葉が頭に過ぎる。
「穂波、腕組まない?」
「…いや、手繋いでるだけだと、なんか。財布とか出すときに離しちゃうし…
組んでたら財布もそのままだせるかな、って」
気付くとそう言っていた。
日々の中で、するするっと腕を組んだり、抱きついたりキスしてきたりするのに
途端に恥じらって、もじもじと腕を絡めてくる様子はまた、たまらなかった。
人が多いのもあってか、腕に身体をしっかりつけて
心なしか肩にもたれるようにするので、顔も近くって…
なんだかすごく特別な感じがした。
石段に座ってたこ焼きを食べる。
穂波がたこ焼き好きって
ちょっと意外で嬉しくなった。
また来年もその次も、来れたらいいな、とか思っちゃう。
家に向かうと途中、
穂波のダンスの先生と会った。
穂波のダンス、見てみたいな、って思う。
花さんと話してる穂波はニコニコしてて
こうやって眺めてるのもいいな、とか思った。
家に着くと穂波がお風呂を入れてくれると言うので、
それまでゲームをしようと思って、ローチェアに座る。
ソファにはカズくんっていう男の子がいるし。
クロが小さいおれって言ってたけど、ちょっと違う感じもする。
でもまぁ、ちょっと似てる気もする。
多分、このくらいの距離感ならゲームしてるだけなら気にならないだろ。
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ーキッチンにてー
穂波はフルーツを切って、各テーブルに配りに行った
クロ「…研磨と小さい研磨。同じ格好でゲームしてら」
夜久「マジだ」
遊児「んだよ〜研磨こっちこねぇのか〜」
夜久「来たとしても、顔の向きはほぼ画面に固定だろうな」
遊児「…俺、穂波のことマジで好きなのにな〜。従兄弟やだ」
一同「!」
クロ「いきなりぶっ込んでくるねぇ」
遊児「………だってよぉ〜」
夜久「マジのやつだこれ」
遊児「すっゲー楽しいんだぜ?いっぱい笑うし、いっぱい一緒に遊んでくれるし…」
夜久「…小学生かよ」
遊児「………でも大体俺が遊んでんの、そっと見守ってくれてる。笑いながら。たまに叱ってくれる」
夜久「…お母さんかよ」