第30章 rollin’ rollin’
ー影山sideー
穂波さんが作ったメシは食ったことがあるけど
穂波さんとメシ食うのも、
穂波さんがメシ食ってるとこ見るのも初めてだ。
なんつーか、その…
………もぐもぐもぐって感じだ。
服もジャージ着てるのしか見たことなかったけど、今日は違う。
なにがどうとかわかんねーけど、とにかく良い。
『あ、影山くん、食べかけだけどこれ、食べれるならお願いしたいです』
「あ、食います。 あんま食べないんっすね」
『そうなんです、食いしん坊だけど量はあまり入らないの』
「………」
『…影山くん、何か考え事してる?』
「…そーっすね、ちょっとユース合宿で」
『そっか、刺激があったんだね』
「…あと、穂波さんがメシ食ってるの見てるの良いですね。
作ってもらいたいって思ってましたけど、それを一緒に食べれたら最高っス」
『…へ?』
「今はそういうことを考えてました。 …無理なんすかね、そういうのって」
『ん? どうなんでしょうか?』
「毎日、一緒に飯を食うって、どうなんすかね」
『毎日一緒にご飯を食べるっていうのは、とてもいいと思うよ』
「そーっすよね」
『…ふふっ 影山くんってかわいいね』
「………」
『いつも、綺麗だなぁ… かっこいいなぁって見てたけど、
今日はなんだかかわいい。 かわいいなぁ、って見てる』
「…かわいい」
『うん』
「それっす、俺もそれ思います」
『…ん?』
「俺もかわいいなっつって思ってました、今日、穂波さんのこと」
『………』
「一緒です、合宿中は綺麗だなっつって見てたんスけど…」
『………』
「かわいいです。綺麗な穂波さんも好きですけど、かわいい穂波さんも好きです」
『…だぁ〜〜〜』
穂波さんは顔を両手で覆って変な声をだした。