第30章 rollin’ rollin’
12月9日(日)
カズくんの練習兼撮影を見物しに北区に来た。
荒川河川敷の駐車場、あといくつかのスポットを回って、今は公園にいる。
薄暗い中始めて、今はもう明るい。
散歩する人やジョギングする人がぽつりぽつりと通りすがるようになった。
公園での撮影は切り上げて、モーニングを食べれるお店に入る。
日本はまだあまりモーニングが盛んじゃないなぁと思う。
チェーン店や喫茶店、それからパン屋さんは多く開いてるけど…
もっとオープンで明るい雰囲気のお店がモーニングをしてても良いのになって思う。
住んでる人たちの生活スタイルだとかそういうものが大きく関わってるのだろうな、とはわかるけど…
それでももっと気楽に、散歩ついでにコーヒー一杯ができたら良いのに。
日本のそれはコンビニになっちゃっててちょっと寂しい。
日本らしいっちゃ日本らしいけども。
仕事の前に奥さんとカフェモーニング。とか。
何も西洋の国だけじゃなく、
アジアの諸国も日常に朝食を外で食べるという選択肢があってそれがとても好きだ。
西洋の国はやっぱ、テラスで一杯とか。
ディナーの営業はダイナーやレストランに任せて、
朝から昼過ぎまでの営業、夕方には潔くお店を閉めるカフェやデリも多い。
そしてそれは別に美食家や富裕層がすることじゃなくて、ごく普通のこと。
台湾やタイ、ベトナム…アジア諸国は
カフェもちろんあるけど、屋台がいい。
昼や夜には見かけないお粥とかさっぱりした麺とか…
野良犬がちらほらと歩いていて、車の通りはまだ少なくって。
「もっと良い店増えるといいけど、まぁ、営業する側も大変か」
『ね、住宅地とか逆に街中には増えてきてるけど、言うても、だもんねぇ』
カズくんのお父さんとそんな話をしながら、パンを頬張る。
「…穂波、午後からも一緒にくればいいのに」
今日はこれからカズくんはまた他の場所で撮影。
その後もスポンサーと会ったり、いろいろ予定が詰まってるらしい。
わたしは特にこれといった予定はないけど
ちょっと見たいものがあったりして、
もうちょっと撮影を見物してから1人で電車に乗ってふらふらとするつもり。