第30章 rollin’ rollin’
ー研磨sideー
「…で、何だったのさっきの」
中庭とは別の庭にあるスケボーの練習するやつで
カズマが滑ってるのを家の中から見ながら周平が言う。
ツトムくんは外でカズマの写真撮ってる。
「…いや別に何でもないんだけど。聞いてみたいなって思っただけ」
「…ふーん。 …で、ちょっとわかったことって何?」
「…多分、周平もカズマも根性は使ってる。
いつもじゃなくて、きっと、ここってときに」
「…へぇ」
「考えなくてもきっとできるのかもしれない。
周平やカズマは精神的にも肉体的にも強いし。
そういう人だけが、きっと、必要な時に発動できるんじゃないかな。
…でもまだ全然よくわかんないんだよね」
「…ふーん よくわかんねぇよな。根性見せろ!とかさ」
「…うん。きっと見せようと思って見せれるものじゃない」
「へぇ …で、研磨は使えない、と」
「…だね。 おれには使えない」
「なるほど、ねぇ。 じゃあさ、穂波を拉致されてさ」
「…は?」
「こいつを返して欲しかったら根性見せてみろ!っつって」
「なにそれ」
「いやちょっとただの例え話。 そういう展開になったらどうする?」
「どうするって言われても。 できることならするんじゃない」
「…できないことは?」
「…やるしかないんじゃないの」
「…ふーん 根性なしの研磨がね」
「なに周平、ていうかもう例えが飛びすぎてて意味わかんない」
「…笑 なに、飛んでない方がいい? もっと生々しいのでいっとく?」
「…いやいい。さっきのでいいけど」
「拉致っといて根性見せろはないわな。笑」
「…うん。そいつの目的はなんなわけ 穂波? おれ?」
「いや知らねーよ、いちいちゲームの設定みたいに掘り下げてくんのやめろ」
「…まぁ、確かに。 ただの例えか」
「今日穂波なにするって?」
「千葉行くって。昨日から」
「へぇ、じゃあ明日は遅刻かね」
「…あぁ、うんそうかもね」
多分ツトムくんが穂波を例えに出して言おうとしてたのは
根性発動するしない以前にそれなりに鍛えられてるってことなのかなって思った。
その、鍛えてる段階でもきっと
その段階にあった根性の発動を求められるのかなとか思うし…
考えだすとやっぱ難解でよくわかんない。