第30章 rollin’ rollin’
カズ「練習のことじゃないんだ。なに、大会?撮影?本番ってこと?」
「…んー、きっとどっちも」
カズ「きっと… なんか研磨ぼんやりしてるね、言うこと。変なの」
「…カズマは、根性使える?」
カズ「…根性? …使う?」
「………」
カズ「いやよくわかんない。やっぱ研磨、変だ。根性とかなんか、ふわってしてるし」
「…おれもよくわかんない」
周平「…大会はもう楽しむに限るけど、俺の場合。
撮影ではあるかもな、そんな風には考えたことないけど」
「………」
周平「…あーやっぱよくわかんねーわ。根性は俺のタチじゃない。うまく言えん」
カズ「…撮影ではある、はちょっとだけわかるかも」
ツトム「…穂波ちゃんは?」
「え」
ツトム「3人の大好きな穂波ちゃんで考えてみたら?穂波ちゃんは根性ある?」
「え、穂波は根性とかそういうとこにいないよ。穂波は穂波だし」
ツトム「…笑 じゃあ穂波ちゃんは根性なし?」
「いやだからどっちでもない」
カズ「…穂波は根性あるよ。こけてもこけても笑ってる。できなくてもヒーヒー言わない。
何回転けてもトライするし、考え続けれるし、人も思いやれる。
あーでも確かに…やっぱよくわかんない」
ツトム「カズくんが人を思いやるとか言ったことが俺は嬉しい♡」
カズ「ツトムくん、うるさい」
周平「何がよくわかんねーの?」
カズ「おれは撮影の時ならちょっとは分かるって思ったけど、
それって多分おれだけじゃないからっていうか。
個人競技って言っても毎日の練習も、物資提供も、
全部誰かに支えられてて、だから大会だって同じなのかもしれないけど…
撮影の時のはもっとこう、ひとりじゃないっていうか…」
周平「…やば、カズマがそんなこと言うの胸熱。穂波が聞いたら泣くわ」
カズ「…やめてよ、かっこわるい。絶対言わないでね」
周平「いや、かっこいいよ、お前。カズマになら穂波あげても良いよ」
カズ「いや、周平からもらう気はないけど」
周平「…笑 それ、な。 …で?何がよくわかんないんだっけ」
…穂波と根性?
考えても考えてもよくわかんない