• テキストサイズ

【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第29章 山茶花


ー古森sideー





ちょっと離れて黙って観察してると、
2人で顔を近づけては離れて、
また近づけてを繰り返してる。

ところどころで見つめあったり、
肩をビクッてさせて え?今感じた? みたいな反応したり。

いやいや、意味がわからん。




ていうか何を話してるの?
この様子をみてると、想像する吹き替えが全部大人な感じになる。





「この後、予定あるの?」

『ううん、ないよ』

「2人で抜けない?連れは平気そう?」

『うん、先帰っちゃった』

「どっか行きたいとこある?」

『…どこでも、いいよ?』

「…じゃ、2人きりになれるとこ、行こっか」






…とか?

ダメだ、想像が全然間に合わん。






後ろからゆっくり近づいて、
聖臣に耳打ちする声に耳を傾ける







『…来年あたり、キムチと醤油に挑戦したいと思っています』







「はっ?」








「…元也、何やってんだ」

『わ!古森くんすごい、忍びみたい!』





「…忍び いや完全に失敗したわ。会話の内容場違いすぎ。
何話してんだよ、なんだよ、キムチと醤油に挑戦って」





2人の顔の高さが近くにあるから、
顔を少々近づけて思いの丈を伝える。

いやほんと、2人ともここであんな色っぽい空気出して、
何話してたんだよ… なんだよさっきのビクッとか、どういうことだよ。













聞いたところによると、梅干しの話題をしばらく喋り、
その後ぬか漬け→そこから発酵食?伝統食?って穂波ちゃんが思って、
さっき俺が聞き耳立てた内容に行き着いたらしい。





『できれば良いってものじゃないし、継続が大事だけど、
でもやっぱお醤油作れたら完璧と言うか最強だよね』





穂波ちゃんはほわんとした可愛い顔で、エロい空気漂わせて
そんなことを嬉々として喋ってた。

そんなのこんなうるさいとこでわざわざ話すことじゃないだろってなって、
聖臣は それもそうだな。元也がもう良いなら帰るか、って言う。
穂波ちゃんも荷物取りに行くところだからってことで、
一緒に駅まで歩くことになった。









/ 1804ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp