第29章 山茶花
ー穂波sideー
焼きマシュマロくんたちと研磨くんと
フロアに出るとさっきまでとは空気が違う
バンドとかと違って、
受け身じゃない感じがあるのか、
前側、横、後ろ側…で結構分かれている感じ。
そりゃそうだよね、クラブに出入りできる年齢じゃないし、
オープンなとこでやってるDJイベントだって、
マイナーなことだから知ってる人の方が少ない。
でも去年大盛り上がりだっただけあって、人の数はすごい。
とりあえずどんなだろう?って人たちもいっぱいいるんだろう。
わたしたちは壁の近くにいる。
研磨くんもまだ、ましなとこにいれるし、
前側の壁の近くはスピーカーが近いので、
低音を、振動を、肌で感じれる。
きっと気持ちいい。
ステージに照明がついて、ターンテーブルが回り出す。
・
・
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音の振動を肌で感じながら、
目を瞑って身体を揺らす
少しすると、
壁にもたれていた研磨くんがわたしの横にきてキスをした。
普通に、しっかりめに… 濃ゆいやつ…
おかしくなっちゃいそうだった
暗くて音大きくって研磨くんとキスをして。
止まらなくなりそうだった
けどやっぱりスピーカーが近かったのもあってか、
研磨くんに手を引かれて体育館の正面入り口の方まで来た。
きっとわたしがキスしたいって言ったからしてくれたんだな。
研磨くんは体育倉庫の鍵を開けて中に入る。
…なぜ?ここに?
…でもまぁ確かに、ここは人がいない。
扉を閉めれば音もだいぶ遮られる
わたしの背中の方でガタンと扉が閉まる
研磨くんが閉めた
「酔った」
『…え、あ、人?音?空気? でも酔ったならもっと空気の新鮮なとこのほうが…』
「…いや、気分は悪くない」
『そっか、それならよかった …ん?』
じゃあ何にどう酔ったんだ?
「…ハイになってる なにこれ」
『…ハイ』
「なんか変な音とか出してるのかな。脳に何か出るみたいな…」
『…笑 音楽に、酔ったのかな』
「…ん。 もっと気持ちいいことしたくなる」
そう言い終えると同時に、
研磨くんの唇でわたしの唇が塞がれる
*裏が苦手な方はP1406へ*
(会話多め)