第29章 山茶花
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『はぁ〜 気持ちよかったぁ。
しかもはけたら研磨くんいるとか、この上ない』
「なにがこの上ないんすか?」
『幸せであることこの上ない』
「あははっ」
『本当にありがとう。…いろいろ』
「いやそれは俺らの方が言うことっす」
アンコールが終わって、控室まで一緒に歩いてる。
「俺らさっと楽器片してからフロア行きます!
2人はまたギャラリーかどっかでしっぽりっすか?」
「えー!一緒に踊りましょーよ!
あ、いや研磨さんはみてて貰えばいいっすけど…
折角なんで一緒に行こーよ」
『…ん、でも研磨くん』
「おれちょっとよくわかんないからさ、いいよなんでも。
無理って思ったら壁に行く」
穂波の楽しそうなとこ見たい
『…ほんとに?
でも、壁からも離れたくなったらわたしのこと連れてってね』
「あはは!壁からも離れたくなる 笑」
「…ん、わかった。連れてく」
「あーいちいちズルい。短い言葉を言っただけでかっこいい」
DJとか本当よくわかんないけど…
ライブペイントってのもあるらしいし、それは気になる。どんなだ?
焼きマシュマロたちが楽器を片付けるのを待ってる間に
ツトムくんからラインがはいった。
だいぶ前にお礼の一言を送っといたからその返事かな。
【3本と迷ったんだけど9本にしてみたんだよー】
【それ、なに?9本、なに?】
【…笑 あれ、誰かに何か言われた?】
………。
【9本はさ、研磨くん見てるといつも感じること。
それにきっともう言葉にしたりしてるんじゃないかな〜と思って。
3本はね、まだちょっと早いかなとか。
あと研磨くんが伝えようって思ったタイミングで伝えるべきことだと思ってやめた!】
………。
【既読無視!笑 まーいいや、また周平くんの家でねーん】
自分でググれってことか。
『研磨くん、あのね』
「ん?」
『9本の薔薇にどんな意味があってもね、
研磨くんからお花もらえただけでそれだけで十分嬉しいよ』
「…ん」
『それ、もう一回伝えておこうって思ったの』
「…でもさ、今回はツトムくんに勝手にやられたけど…
今調べたら、おれがいつも思ってることだった。
だからそれも含めて受け取ってもらっていいよ」