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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第29章 山茶花


ー研磨sideー





「…ちょっとおれ、ここ抜ける」





福永に言い残してその場をさる。
穂波のとこ行く。






「あっ!研磨さん!やばかったっすね、穂波さん!」




関係者以外立ち入り禁止ってなってるとこに入ろうとしたら止められて
なんでこんなとこまで本格的なの…て思ってたら
昨日の焼きマシュマロの一年の金髪に声をかけられた。





「…あ、中入ります?俺、演者なんで一緒に入りましょーよ」

「…あ、うん。 じゃあ、お願い」




融通聞かせてもらって一緒に控室まで歩く。




「…何するの、バンド?」

「あ、あれ?聞いてないっすか?そーっす、バンドするんすけど…
昨日急遽穂波さんにも歌ってもらうことになったんですよ」

「え、聞いてない」

「トリの一個前…いや、DJが大トリなら俺らはトリになるのかも?」

「…へぇ、うまいんだ」

「いやでも文化祭でやるのは全部コピーっすけどね。
結構前の曲とか、まぜこぜで好きなのやります。
順番は多分、うまい下手とかじゃなくって、あれっすね、
DJで盛り上がる前に最後しっぽり的な感じっす。みんな相当レベル高いんで。

…んーと、穂波さんはこっちにいるかと。俺はあっちいくんで、ここで!」

「…ん、ありがと」

「俺らのも良ければ見てってくださいねー!まだ後だけど」

「…ん」




穂波が歌うなら見るしかないし…





ドアをノックすると穂波の声がする。
いつもの穂波の声で、安心する。

…ほんとたまに、消えちゃうんじゃないか、
どっか行っちゃうんじゃないかって思うから。





『わぁ、研磨くん!入れたんだ!嬉しい』

「…ん」





踊った後で紅潮した頬。
いつもの笑顔で抱きついてくる。





『ねぇ、研磨くん』

「…ん?」

『あのね、わたし何も考えずに踊ってたの今まで』

「…」

『いや、考えてはいたけど無心っていうか。
気持ちいいなぁとか、嬉しいなぁとかそういう気持ちでいっぱいっていうか』

「…」

『今日もそういう気持ちはいっぱいだったけどね、でも今日は考え事してた」

「…」

『研磨くん大好きーって考えてた』

「…え」

『研磨くん研磨くん研磨くんってなってた 笑』








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