第29章 山茶花
穂波は準備しに控室に行っちゃった。
バンドのときだけみんな立ち上がって、それ以外は座ってみた。
…ここで穂波のも見たいんだよな
灰羽「ねぇ研磨さん、ここで穂波ちゃんのも見たいですよね!」
「…うん」
犬岡「あ、じゃあ俺ここで場所取っておきます!…だから」
ぐぅぅぅぅぅぅぅぅーーーーーーー
芝山「犬岡くん、何か買っておいでよ。俺さっき店番ついでに食べてきたから。
2日目は午後のステージ始まるタイミングで店も全部閉まっちゃうんだよ。時間ない」
犬岡「…そうする!食ったら戻ってくるな!」
カズ「…研磨は?行かないの?」
「…おれ、ここでゲームしてる」
カズ「俺腹減ったからちょっとなんか食べてくる」
「…ん」
みんなこの場所で見たいって思ったみたいで、
何人かが残ることになった。
おれにとってもちょうどいい。
山本「研磨、朝のこと悪かったな」
「…?」
山本「俺もあれは、優しくしてらんねーなって思ったわ。
冷たいとかいって悪かった」
「…あぁ、別に。 冷たかったとは思うし」
山本「…俺は、お前らのこと応援してるからな」
「…いいよ、そういうの。別に今、危機とかじゃないし」
山本「…だな」
「………でも、うん。ありがと」
山本「おっ おぅ………」
虎がちょっとよくわかんない感じにかしこまってて、
それがちょっと居心地悪いけど…
そうこうしてたらクロたちも戻ってきて、
おれもトイレに行ったりして。
午後の部があと15分で始まるってアナウンスが入る。
午前より、人が多い気がする。
犬岡「あれって井闥山学院の2人だよな?」
芝山「えっ、どこ?」
「………」
夜久「うわ、マジだ。佐久早と古森がいる。すげー妙な感じ」
振り返ってみてみると、壁のとこで2人が立ってる。
ちょうどカズマがそこを通りかかって、
古森がカズマに話しかける。