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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第29章 山茶花


ー穂波sideー





研磨くんが校内、というか文化祭の体育館の中で、
わたしを後ろから抱きしめて、体重を預けてくれてる。

…ここはどこ?

日本?

みたいな謎の錯覚。






その安心感はそのままに、
ドキドキが止まらない空気をいい感じに壊してくれるのは…






「ねぇ、黒尾ぉ〜 それって俺、褒められてるんだよねっ?」






こんなにたくさんの人がいて、
いろんな音がする中でも響き渡る光太郎くんの声。

…和むというか、力が抜けるというか。







「ねぇ、穂波こっち向いて」

『…ん?』







首を捻って顔を研磨くんの方に向けると、
優しく、あまぁく、ねっとりとしたキスをされる。








…これはなぁに?
幸せとどきどきと不思議でおかしくなりそう。








「あー研磨さん!何やってるんですかー!ずるいです!」








リエーフくんがやってきて、犬岡くんの隣に座る。
無邪気で声の大きな人がもう一人増えた。

リエーフくんは、昨日も見かけたけど、
文化祭で他校の子とか保護者の人とかから、
もうっきらっきらの、うるうるの眼差しを向けられてる。

この、非の打ち所がない圧倒的に整ったルックスと、
無邪気な内面が、そのギャップがまた良いんだよなぁ。

喋らなければかっこいいのに、って言う子たちも多いけど、
わたしはこの、リエーフくんが好きだなぁと思う。








「…だっておれのだし」

「まー、そうですけど!でも穂波ちゃん、俺のここも空いてるよー!」

『…ふふ、間に合っています。ありがとう♡』








研磨くん何があったのかな、
ちょっと気になるけどまぁ、いいかな。
とても、幸せだ。








ステージ開始のアナウンスが入って、演目が始まる。









手品を研磨くんとこんな風にくっついてみるのは…
控えめに言っても最高だった。

研磨くんの体温に包まれて、
息遣いも感じて…
ぎゅってたまに力が入ったり。

くすくすって笑ったり。

映画やドラマをくっついてみるのとはまた違って。

目の前で起こるライブ感あふれるものを、
一緒にだけじゃなく、くっついて味わうのは…
もう一度言っちゃう、最高だ…









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