第5章 夏
みんなをおばちゃんたちに紹介するのもいいけど、
遊児は騒がしいし、こっちに呼んでくる方がいいと思った。
『遊児、重いの運んでくれたの?ありがとうネ』
とうもろこしを運び終えた遊児に声をかける。
「おぉ!穂波!遊ぶべ!」
遊児はわたしの手をとる
『遊児、研磨くんたちに紹介したいから一緒に来て?』
やんわりと手を解き、背後に回って背中を押す。
「…紹介って。俺のこと従兄弟っていうなよ〜」
『なんでよ 笑』
「もっと妬かせんの〜」
『………』
『はい、遊児。彼が研磨くん。わたしの大事な彼氏。それからクロさんと夜久さん。で、こちらがツトムくん。
で、彼は遊児です。宮城にいるわたしのいt…』
遊児「許婚です」
一同「!」
遊児「俺は茶道の家元の孫、穂波は琴の家元の孫。浴衣姿がこなれてるっしょ?」
『……茶道とお琴は半分本当。許婚はウソ。母方の従兄弟です。
同い年で高一。小さい頃から一緒に遊んでた宮城の親友みたいな子。
よければ、仲良くしてもらえると…』
遊児「いーや俺は穂波と遊びに来たの!」
『遊児?せっかく来たんだから、遊児らしくのびのびと遊んで?
遊児が真っ直ぐ遊んでる姿が好きだよ』
遊児「………だべな。ちょっとあっち行くわ〜 あ、みんなよろしく〜!」
ツトム「おれも、先外行ってるね〜?」
『あ、うん!またね』
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クロ「なんか、サルみたいなのが2人いたな」
『……笑 遊児も宮城でバレーしてるの。烏野高校ではないんだけど…』
夜久「へぇ!ポジションどこだろ。また話そー」
『えぇと、鞄、もらおうかな。暖炉のとこに置いとくね』
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『外行こっか』
玄関に靴があるので、表から周ることにする。
『家の中への行き来は、テラスのとこからでいいからね。サンダルがある時は気にせず履いてね』
お父さんたちのところへ行って、紹介する。
何かしら人生に愉しみを捉えて、仕事にしたり趣味として極めたり。
おもしろくてかっこいい大人がたくさん集まるから、
黒尾さんや夜久さんにとって面白い出会いが一つでもあったら嬉しいなァ