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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第29章 山茶花


ー穂波sideー




テロだって。
前のアップルパイのやつ、覚えてたのかな。





『…確かに。オーブン料理はテロリストが多いのかな』

「………」

『でもきっと世論一位はカレーだよね』

「…確かに。 …もう、焼けた?」

『あ、うん。きっといい感じ』





テーブルに他のいろいろは並べてあったので
あとはポトフを温め直したらいい。













エビドリア、ポトフ、蓮根とかぼちゃのローストサラダ、
ほうれん草とベーコンの炒め物。

お昼の残りの里芋のアンチョビサラダ、ひじきと紫玉ねぎのマリネ。





「…うまそ」

『どうぞ、召し上がれ』






もう何回研磨くんと一緒にご飯を食べたかな。
何回研磨くんにご飯作らせてもらったかな。
何回しても、幸せだな。

どんどん、どんどん、重なってく。
いろんな、レイヤー。







「あー、おいしかった。 穂波ごちそうさま」

『うん、ありがとう』






美味しいって言ってくれて、食べてくれて、
ご飯を用意させてくれて… ありがとう。

今まで、研磨くんの身体のどのくらいを作ったかな。
小指の爪の半分くらいは作ったかな。

…you are what you eat
食べた物でできてる身体。

大好きな人のごはんをつくらせてもらえるって
この上ない幸せである。





「穂波、いつもその顔する」

『…ん? あ、またにやにやしてた?』

「ううん、にやにやとはまた違って」

『………』

「ずっと、見てたい。今は毎日は無理でも、いつか毎日。
毎朝、とか。毎晩、とか… わかんないけど」

『…?』

「…なんでもない おれちょっと、おかしいや、今日」

『…ふふ』

「山茶花のおばあさんは魔導師だったのかも」

『…へ?』

「…なんか、かけられた気がする」

『…笑』

「いやでも、違うか。だからって、結婚したいとかおもうわけじゃないし…前から思ってたし」

『へ?』

「え?」

『…ん?』

「あれ、おれいまなんか言った?声に出てた?」

『…へ? あ、ううん、何も言ってなかったよ。 不思議そうな顔してただけ』

「…ん。よかった」






…あれ?今研磨くんなんて言った?
わたしもぽわぽわしてたし、ちょっとよくわからないや。



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