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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第29章 山茶花







『…ん。信じられないくらいのことだけど
小学生の時に海で遊んだそのたった一日から好きでいてくれたって』

「…へぇ」





ド級に一途…
おれも穂波に小さい頃に出会ってたら、そんな風に好きになってたかな。






『白布くんの話、聞きたい?』

「…んー、別にいいかな。あ、でも進路のことでいろいろ聞かれたって遊児が言ってた」

『…あぁ、うん。話を濁すと容赦なく切り込んできてくれて。ちゃんと話すように促された』

「…なんでアメリカなの?とか?」

『うん。なにビビってんの?とか…』





…9年ぶりに会ってそこまで言えるってすご。





「ビビってたの、穂波」

『白布くんが怖いからじゃなくて、なんだろね…』

「…」

『白布くんは医学部に行くつもりなんだって。
それを聞いた後だったから、アメリカに行くことも学びたいことも
ほわーんとした理由だなぁって思って。濁した』

「でも結局、吐かされた」

『…笑 うん、吐かされた』

「…おれも聞きたい」

『…え?』

「学びたいこととかまでは聞いてない、おれ」

『あ、そっか、んとね…』





穂波は海洋学を専攻したいらしい。
特に海洋化学か、生物海洋学。
フィールドワークに興味があるって言ってて、それはすごくしっくりきた。

ダブルメジャーでとりたいのは全然違う分野で
まだいくつか迷ってたり、海洋学が学べる学校にはその学科がなかったりすると言ってた。

でもアメリカは3年までに専攻を決めればいいらしいし
途中でダブルメジャーにすることもできる。
卒業するのが遅くなってもいいなら、3年以降に専攻を変えることもできる。
そういう、フレキシブルな感じがまた自分にとっては魅力なんだと話してくれた。






『あぁ、やっぱり研磨くんには話しやすいや。すきすき』

「…」

『研磨くんは、学部とかもう決まってたりする?』

「…ん、経済学部かな、無難に」

『無難かはわかんないけど…しっくりはくるよ。とても』

「…ん、だから無難でしょ」

『それを言ったらわたしの海洋学は安直?笑』

「いやそう言う意味じゃない」

『…ふふっ わかってるよ』






あーもうダメ。
限界。

…一生懸命進路のこと話してる姿がかわいすぎた。
ちゃんと話は聞いてたけど、も。
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