第5章 夏
土曜日。
今日は一日練習で、明日はオフ。
〇〇駅で夏祭りがあるので、穂波と一緒に行く。
穂波の家であるBBQにはクロと夜久くんも一緒に行く。
母親には泊まると伝えておいた。
続けて二回も夜帰らないとか、遅く帰るとかしたし、
前もってわかることなら先に伝えてと言われたから。
「えっ、黒尾も研磨もそのまま行くの?」
練習が終わって、駅に行く途中、夜久くんが言う。
研磨「…え、なんで」
夜久「駅近いんだし一回着替えてから行くもんだと思ってた」
クロ「…それも、そうだな…」
研磨「…別に、ジャージでよくない?」
クロ「ま、それもそうなんだよな…」
夜久「なんだよ二人テキトーだな〜。
あ、おれお土産買って行くように言われてんだ。どこで買ってくのがいいかな」
クロ・研磨「俺も」「おれも」
夜久「肉とかはわかんねぇもんなぁ〜果物とか、飲みもんとかでいいのかな」
研磨「…果物いいかも。穂波ん家行くとだいたい何か果物出てくる」
クロ「被って余るってことはねぇか?」
夜久「…まぁ、今日、人が他にもくるんなら大丈夫じゃね?」
研磨「〇〇駅でスーパーと商店街みてみよ…」
クロ「いやでも、祭りあるなら商店街は混んでるっしょ。つか、こっちで行った方が良くね?」
「あれぇ〜〜〜えーーーーっと。クロくんと穂波ちゃんの彼氏っ」
声のした方をみると、前に電車であった写真を撮る人…
えっと、確か…
「ツトム!覚えてる?」
クロ「あぁ!ツトムさん!家近いんですか?」
ツトム「いや、バイト上がり。バイク故障しちゃってて電車で行くとこ」
クロ「穂波ちゃん家っすか?俺らもこれからお土産買って向かうとこで…
あ、こいつ夜久です。同じバレー部の」
夜久「こんちは!」
ツトム「夜っ久ん!俺ツトムです。よろしくね」
研磨「ツトムくん、穂波ん家にお土産なにがいいかな」
ツトム「おっ、今日は話してくれるんだ。俺も手ぶらじゃいけないし、一緒に買い行く?」
研磨「…うん」