• テキストサイズ

【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第29章 山茶花












「ふーん。…思ってたより忙しないね。 …見るとこ多い」




試合開始して少ししたところでカズくんが呟く。
きっとわたしよりすぐに、バレーというものを理解するだろうなとは思ってた。
そしてきっと、研磨くんの思考?策略みたいなのは、
カズくんならわかってしまうんじゃないかな、とか。




「夜久くんすげー。かっけー。え、夜久くんすごくない?やば」

「ぅわ… 腕もげそう。何あの人、こわ」

「へぇ、クロってあんな感じなんだ。あの後ろだとレシーブしやすそう」

「研磨の目、こわ」





カズくんが…カズくんが!すごいひとりごちてる。
まるでゲームに熱中してるときに声が出てしまってる時のように。





夜久さんがすごくてかっこいいのはわたしにもわかる。
クロさんのブロックも、光太郎くんのスパイクも。
けど、きっとカズくんにはもっとたくさんが見えてるんだろうなぁと思う。






「…へー、こっからあの4番のストレートしめてくのかな」

『えっ、なになに。もう先読んでるの、カズくん』





研磨くんとクロさんがブロックをスイッチして、
光太郎くんのスパイクをとめた。

それをみて、カズくんがそんなことを言った。





「…ほら、ストレート締めて、ブロック避けようとするとレシーブ構えられてて」






光太郎くんはそれでもストレートに打ったけどアウトだった。






『…これを誘ってるの?』

「でしょ、これがバレーの普通なのか、音駒のやり方なのか、
研磨のやり方なのかは知らないけど。おもしろいじゃん」

『…うん、おもしろいというか』





情報量が多くて頭パンクしそう!
研磨くんや蛍くんはじめ、みんながいろんな情報を処理して対応してることはわかってたけど
わたしは結局ぽかんとみているだけで、そんなに理解してなかった。





「あ、うるさかったら言って。いつでも黙る」

『いや、その調子でお願い。頭パンクしそうだけどおもしろい』

「頭悪いわけじゃないのに、状況判断とか遅いもんね穂波」






…カズくん。
こんなだから10歳だってこと忘れちゃうんだよ。







/ 1804ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp