第28章 しらす
ー穂波sideー
何だかやっぱり馬が合わないような、
ぐらぐらした感じはありつつ、
わたしだけだろうけど、妙に安心する遊児と白布くんの3人で話を続けた。
仙台のおばちゃんがもう帰る時間になったので、
LINEの交換をして、それからハグをして白布くんとおわかれした。
次はいつ会えるんだろう。
昨日のあんなすごい試合をみれただけでも刺激がいっぱいだったのに、
今日は蛍くんと仙台で過ごして、
その上白布くんと再会して、おばあちゃん家で過ごすなんて。
いつものまったりした宮城時間とは違って、
旅みたいな2日間だった。
…おまけに遊児は
「穂波がずっとあいつと話しててつまんねー」
とのことで、泊まっていくことにしたので、まだまだ賑やかさが続きそう。
お風呂に入って、まだ起きてるかもな、という時間。
研磨くんにLINEをいれる。
【研磨くん、こんばんは。もし、時間大丈夫だったら、声が聞きたいです】
少ししてから着信が入る。
『もしもし』
「…ん。まだ起きてたんだね」
『うん、いろいろ賑やかで』
「あぁ、そっか誕生日会」
『…うん。あ、あのね、白布くんに会ったの、今日』
「…小2の頃のやつ?」
『うん、商店街の魚屋さんで、ばったり』
「…すご」
『それでね………』
白布くんのご両親に会ったこと、
おばあちゃんのお誕生日会に来てくれたこと。
そこまで話したとこで
襖がすっと開いて
「穂波ー!まだ寝てないよなー!」
遊児が将棋台を持って入ってくる
「…遊児?」
『あ、うん。ごめんね』
「あ、わりー電話中か!飲みもん取ってくるわ」
そいって遊児はまた部屋から出て行った。