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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第28章 しらす


ー白布sideー




散々トランプとUNOに付き合わされた後
遊児は帰る前に風呂に入ると言って、風呂へ行った。




穂波は言わないようにしてるのだろうが、条善寺のバレー部だ。
遊児も遊児できっと俺のことはわかってるんだろうけど、あえて話さない。




『白布くんも遊児のあと、お風呂入ってく?』

「いや、それはいい。穂波ちょっと2人になれる?」

『うん、縁側に行く?お庭は寒いかな』

「ちょっと外の空気吸うのもいいね」

『じゃあ、お庭歩こうか。もうすぐ満月で明るいし。
おばあちゃん家のお庭広いんだよ』





縁側からつっかけを履き庭を歩く





『白布くん、疲れちゃった?』

「…いや、思ったほど。大丈夫」

『よかったぁ』

「………」

『…そうだ、約束なんだった?今できること?』

「うん。…する?」

『うん、しよっ』

「また会えたらハグしようって言ってた、穂波が」

『そっか。 …あ、思い出してきた。 お別れの前のハグ。
白布くんもぎゅってしてくれて嬉しかった。で、約束したのは再会のハグだね』

「………」






自分で持ちかけたけど、すごい恥ずかしいんですけど…
これじゃハグしてってねだったみたいじゃん





『ハグしてもいいの?』

「うん、したい」





そのくせ、結局普通に素直になってしまう。

しらぶくんと呼ばれる理由も
海のあと別れ際にハグをすることも
結局素直に受け入れたんだよな、俺。

穂波といると今も9年前も、そんな感じなんだよな





『…ふふ じゃあ、失礼します。また会えて嬉しい。見つけてくれてありがとう』





穂波が近づいてきて躊躇なく俺の身体に腕を回す。

暖かい。それに、柔らかい。
…9年前にはなかった柔らかさが俺の身体を包む





『白布くんも、ギュッてして?何だかすごく懐かしい感じがする』

「…あぁ、うん」





今更カッコつけたって仕方ない。
ぎこちなく背中に腕を回して抱きしめる。





『前にハグしたのも外だったんだね』

「…海の後だったから」

『うん。自分に失くした記憶が少しでもあるなんて知らなかった』

「………」

『思い出せて良かった』





…ハグってこんな長い時間するものなのか?





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