• テキストサイズ

【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第28章 しらす


ー研磨sideー





鼻血、か…

前だったらないない、って思うけど…
夏の合宿でおれも体験しちゃったからな。

穂波楽しかったみたいでよかった。






「明日、楽しんでね。でも、気をつけてね」

『うん、気をつける』

「…まぁ、折角だから気負わず普通にしてればいいけど。あんまりほわほわしたらダメだよ」





会ってもいいとか言っておいてこんなこと。
馬鹿みたいだけど…





『ほわほわは研磨くんの魔法』

「…ん」

『そうだ今日ね、白鳥沢学園の人とも話すきっかけがあって』

「へぇ」





なんなんだろ、穂波のこの感じって。
それこそ、魔法みたいに人を寄せ付ける。

ただかわいいから。 ただ色っぽいから。 だけじゃない魅力があって、
男も女も関係なく吸い寄せられてしまう。




「ウシワカ…しかわかんない」

『牛島さんは会ってないよ。ただ、ほんとにすごかった』

「翔陽なんか言ってた。月島の指がどうとか… まぁいいや。またいろいろは月曜に聞かせて」

『うん。 あ、でもね、研磨くん。 ひとつだけ聞いて欲しいことがあって…』

「…ん?」





なんだろ。









『………だから、ちょっとね、悲しい。わたしのこと覚えててくれたのに。
だってもう、9年とか?会ってないわたしのフルネーム覚えててくれて、思い出してくれて。
なのに、わたし ? って反応しかできなかったから』





穂波が言ってる意味はわかるけども…





「でも、覚えてなくても仕方ないってきっと向こうも思ってるよ。
さすがに小2から高2の9年間は」





もしかしたらもしかすると、
穂波が宮城に行った時に見かけることがたまにあって、
忘れようがなかったとか。

そんな夢みたいなことも、
穂波といると起こるんじゃないかなって気がしてきてしまう。





『ね、でもやっぱそう思おうとしても、やっぱ悲しいなぁ。
だからまたいつか会えたら、絶対わたしから話しかけるんだ』

「うん、そうだね。きっと嬉しいと思うよ」





そいつがどんなやつか知らないけど、
わざわざその記憶を遡った上で声をかけてくる何かがあったんだろうし。






そんな感じでもう少し話をして、電話を切った。








/ 1804ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp