第28章 しらす
【明日、午前中から会えますか?】
夕方に蛍くんからLINEが入っていたのを思い出した。
白布くんのことに脳内を持っていかれて、うっかりしていた。
研磨くんにはバスの中からLINEを入れた。
勝敗は翔陽くんから聞いたらいいなと思って、
【今からおばあちゃん家に帰ります。明日蛍くんと会うことになりそうです】
それだけを送っておいた。
LINEを開くと研磨くんからも連絡が来てたけど、
まずは蛍くんに返事。
【蛍くん、お疲れさま。明日午前中から夕方まで大丈夫です◎
早めに出れるように準備をしておくので、返事は明日でも大丈夫だからね】
きっと今日は疲れて眠ってるだろうと思ってそう返事をしたけど、
思いの外早く返事が来た。
【じゃあ、10時ごろに仙台駅に着くバスできてもらえますか?】
【了解◎ 病院は?】
【仙台で兄がいつも行ってるとこに行きます。朝一予約取れました】
【それならよかった。じゃあ、時刻表を見て、連絡いれるね】
【はい、じゃあまた明日。おやすみなさい】
【うん、蛍くんおやすみ】
家から仙台までお兄さんの車って言ってたから、寝ながら来れるのかな。
時刻表を調べてみようと思ったら
蛍くんからわたしの乗る路線バスの時刻表の画像が送られてきた。
仕事が、早い。
10時ごろに着くのは一本しかない。
【蛍くん、ありがとう。9:52着ので行くよ。
時間は適当に潰せるから、無理なく来てね。返事はいらないよ。また明日♡】
蛍くんに送って、研磨くんからのLINEを開く。
【そっか。楽しんでね。時間あったら電話して】
まだ21時過ぎ。
電話してみよっと。
「もしもし」
『研磨くん、こんばんは。いま大丈夫?』
「…ん。 翔陽からメール来た。 すごい長いやつ」
『そっか。翔陽くんも、みんなみんなも、かっこよかったよ』
「ん」
『研磨くんが試合に出てたら、わたし鼻血出しちゃうかもしれない』
「…笑 なんでそうなるの」
『研磨くんじゃなくても、音駒みたいによく知ってる人たちじゃなくても相当興奮したから』
「…あぁ、なるほど」