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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第28章 しらす













蛍くんが吠えた。



覚醒、した?






2セット目、蛍くんの空気はどんどん研ぎ澄まされていくようだった。
あらゆる情報、今現在単体のそれじゃなくて、
試合開始からの続いている線の上の点みたいな、
そんな情報と状況をただただ冷静に捌いて組み立てていってるというか。

それはきっとコートに立ってるどの選手も自然にしている事なのだろうけど、
やっぱり蛍くんは研磨くんが賢いというだけの何かを持ってるから…
そういうことに関してはきっと長けているんだろうな。






蛍くんは2セット目の最後に、試合開始からそれまでしてこなかったことをした。
たまにクロさんがやるやつ。

ボールの抜け道をわざと空けておいて、
スパイクを打った瞬間にその穴を塞ぐ。



リエーフくんがやりたいやつ。
おそらく、気持ちいいやつ。



でもレシーブはしにくくなるんだって言ってた。
だからやるなら確実に止める。




リエーフくんはまだ、やりたいとやるべきが一致しないみたいだけど
蛍くんはきっと全部仕組んでいたんだろう。
罠、みたい。 ゾクゾクする。





そして、蛍くんを知っているだけに、
感動興奮が尋常じゃない。






『…すご』






観客席や烏野のベンチ、コートが盛り上がる。
蛍くんは、田中くんと夕くんにぽかすかされてる。
ぽかすか ぽかすか…






わたしは大抵こういう時、だんまりとしてしまう。
サーフィンでも、スケボーでも。

心が震えて、動けなくなる。







蛍くん、すごいよ。
きっとこれはこの一回がすごいんじゃなくて、
1セット目からのいろんな要素が有機的に絡み合った先の点で。
いろいろが繋がってるんだ、わたしには詳しくはわからないけど。







1セット、取り返した。







どきどきがおさまらない。







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