第27章 アップルパイ
内容はこんな感じ。
バリのランダっていう魔女が夢に出てきて
次の日、何時に○○に行くように、みたいに言われる。
そこで出会う人とか置いてあるものを少しだけ伝えられてそれ以外の情報はない。
ランダはバリでは悪の象徴みたいな魔女で言うこと聞かないと何が起きるかわかんない。
行ったところで何が起きるかもわからない。
次の日、穂波はなんの疑いも持たず提示された場所へ行く。
すると夢に出てきた通りの人やものがあって…みたいな。
そんなのが数日続いたある夜、
予定が入っていていけない時間にいけない場所へ行くように指示が出されて
無理だというとランダがものすごい形相で怒り出して、どうしようと思ってたら
バロンっていう聖獣が来てランダと戦い出したらしい。
これは、バリに伝わる神話で、舞踊にもなっていて、いつまでもバロンとランダには決着はつかない。
…悪をやつけて終わりじゃないのが、すごくバリっぽくてまた魅力なんだと目をキラキラさせて教えてくれた。
夢の中では戦いの末、ランダはどこかへ逃げて、
それからバロンに翌日穂波が予定してる場所の近くにある高台へ行くように指示される。
そこで、心を込めて踊るように強く言われたって。
それで実際に空いた時間に一人でその高台に行って踊った。
2、3時間も穂波が帰ってこないから心さんやアキくんたちは心配して探し出した。
地元の友達のつてでシャーマンの人に場所を教えてもらって行くと、穂波はそこで寝てたらしい。
穂波曰く踊り始めた最初の数分しか覚えてないとのことだった。
穂波は気絶とは言わなくて、踊り疲れて寝てたって言ったけど
それは多分トランス状態になったのちに気絶したんじゃないかなと思う。
家の前から駅まで、駅のホームで、電車の中で、駅から高校まで…
話を聞いて、考えて、静かになって、気になったことを話したり質問したりして。
非日常も甚だしいストーリーをなんでもないことのように喋る穂波に
クロと2人でキツネにつつまれたような心地になっていた。
やっぱり穂波はたまに、ファンタジーの世界にいる気がする。
でもふわふわとそこにいるんじゃなくて
そういう時がいつもより一層どっしりと地に足がついている感じがするのがおもしろい。