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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第27章 アップルパイ


ー研磨sideー




穂波が髪を乾かしてくれてる。
…なんか、久々。




髪を触られるのってなんでこんな気持ちいいんだろう。

髪はまだしも、
子どもみたいで気持ち悪くていえないけど、
じつは耳掃除と爪切りも、やってもらったら気持ち良さそうとか思う。
…絶対言えない、というか言わないけど。

穂波はおれの世話係じゃないし。





…あ、おれも穂波の髪乾かせばいいのか。
途中でそう思って、穂波が終わったタイミングで交代した。






穂波には触ってるだけで気持ちいい。
影山じゃないけど、おれもそう思う。
ていうか、おれしかそんなこと思わなくていいし。

だから髪乾かしてるだけでなんか、満たされる。
かわいいな、おれのだな、みたいな。
いい匂いするし。






「…ん。もういいかな」

『わぁ、さらさら。研磨くんありがとう』







穂波は振り返ってそう言うと、
四つ足で鞄のとこにいって小瓶を取り出した。







「…それ、ぬるの? 髪に」

『うん、ぬろうかな』

「おれ、やってもいい?」

『あ、研磨くんもぬる?』

「いや、そうじゃなくて穂波の髪に」

『へ? え! うん、嬉しい。 研磨くんに触られるの気持ちいい』

「…ん」






いつもふわってかおるやつ。
風呂上がりとか、朝とか。

いい匂いのやつを手に取って穂波の毛先の方につけてく。







「生え際にもつけるの?」

『生え際はいつも手に残ってるのを馴染ませてるだけ。…研磨くんの好きにしてください』

「…ふ じゃあ、いつものようにする」

『うん』

「…穂波はおれの髪乾かすのはめんどくさくないの」

『うん、全然。気持ちいいし、愛おしいし、嬉しいし、楽しい』

「…そっか」






じゃあ、乾かし合いっこすればいいんだ。
決め事じゃないけど、できるときは。無理なく。

…最近おれ、すごいばかみたいに穂波と暮らすことをよく考える。
大学卒業するまでは無理なんだけど…

…ていうか、最近に始まったことじゃないか。
胃袋掴まれて、行ってらっしゃいとか言ってもらったりして、
もう結構最初の方からいろいろ考えちゃってたかも。









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